「借りる」の読み方
まず「借りる」は、「かりる」と読みます。「借」は音読みで、「しゃく」と読む字です。小学校では、四年生あたりで習います。
「借りる」の意味
「借りる」には、以下の三つの意味があります。
- あとで返す約束で、他人のモノを自分の用に使うこと
- 他人の能力などを使わせて貰うこと
- 臨時にある用途に当てる、仮に他のモノを使うこと
補足として1は、お金を払う場合と払わない場合、両方を含みます。このように意味を分けると難しそうですが、「借りる」は日常生活でも耳にしやすい言葉なので、何となくニュアンスの違いを理解できる方も多いかと思います。
「借りる」の使い方
「借りる」は動詞に分類され、動詞とは動作、対象の状態を表す役割などを持っています。ここでの動作や状態とは、「借りる」の1~3の意味ですね。またこの言葉は「借りて」や「借りた」などのよう、変化した形でも使われます。
借りる:自分の用に使うこと
【例:友人から本を借りる】
これは1の意味で使っていて、「あとで返す約束で、友人の本を自分の用に使う」のように言い換えられます。本なので、ここでの用とは読むことです。そして相手が友人なので、無償のイメージが強いかと思います。
似たような使い方として「お店からDVDを借りた」でしたら、そこに料金が発生しています。比べると意味は同じなのですが、少しニュアンスが違っていますね。
借りる:他人の能力などを使わせて貰うこと
【例:祖父の知恵を借りたい】
これは2の意味+変化形として使っていて、「祖父の知恵を使わせて貰いたい」と言い換えられます。似たような使い方としては、「兄弟子の胸を借りる」のような表現があります。
ちなみに胸を借りるとは、実力的に下の者が、上の者に相手をして貰うことを表します。元々は相撲の用語です。
また他には、誰でもいいから手を借りたいことを表す、「猫の手も借りたい」ということわざがあります。
借りる:仮に他のモノを使うこと
【例:この場を借りて、お礼を申し上げます】
これは3の意味+変化形で使っていて、「この場を使い~」や「使わせて頂き~」のように言い換えられます。そのときだけ、一時的に使うような感じです。似たような使い方としては、「彼の言葉を借りれば~」のような表現があります。
「借りる」を表す英語
「借りる」を表す英語には、「borrow」や「rent」があります。それぞれの違いについて、個人から無償でモノを借りるときは、「borrow」が使われます。
一方で店などからお金を払ってモノを借りるときには、「rent」が使われます。こちらは「レンタカー」や「レンタル」と、片仮名でもよく使われていますね。
「借りる」の類語
「借りる」の類語には、「拝借(はいしゃく)」や「借受(かりうけ)」などがあります。
「拝借」について
「拝借」とは、借りることをへりくだって言う言葉であり、慎んで借りることを表します。
ちなみに「拝」の字には、拝む、敬意を表するなどの意味があります。たとえば目上の人に「知恵を借りたい」とき、「お知恵を拝借したい」のように使われます。
「借受」について
「借受」とは、借りて手に入れること、借り入れることを表します。またこの言葉は「借り受け」や「借受け」とも書かれ、「かりうける」とも読まれますが、含む意味は同じです。使い方に関しては、「資金の借受」のように用いられます。
「借りる」の対義語
「借りる」の対義語としては、「貸す」などが挙げられます。
「貸す」について
「貸す」には、以下の二つの意味があります。
- 自分のモノを、ある期間だけ相手に使わせること
- 能力、労力などを、他人に提供すること
まず1の意味は、「借りる」における1と対になっています。お店の商品などは自分のモノと言えませんが、ここでは「仕事などでそれを貸し出す役割」も含みます。
次に2の意味は、「借りる」の2と対になっていますね。「知恵を貸す」や「胸を貸す」のように使われます。
最後に「借りる」の3は、たとえば「偉人の言葉を借りる」でしたら、貸す側の意思に関わりません。よって対になる厳密な「貸す」がないというわけです。