「ルーツ」の意味や使い方
「ルーツ(roots)」は植物などの根元、大本(おおもと)の意味から転じて、物事の起源、根源、家系における祖先、由来を表します。「我が家のルーツを探る」というように使います。
「ルーツ」の類語
「ルーツ」の英語の類語として、one's ancestors(祖先)、an origin/the originator(起源、創始者)があります。「この行事はルーツをたどると古代の神事にさかのぼる」はThis events originated in an ancient religious ritualとなります。
日本語での類語は元祖(がんそ)、開祖(かいそ)、始祖(しそ)、などがあります。ある物事の創始者という意味で共通しますが、細かく見ていくと、「元祖」は現在では「当店がこの土産品の元祖です」というように、ある商品についての創始者を指して言うことが多いようです。「開祖」は宗教、宗派、または学問、技芸などの一派を最初に興した場合に特化しており、「始祖」もそれに近いニュアンスがあり、例えば禅宗で始祖と言うと、すなわち達磨大師(だるまだいし)のことになります。
こうしてみると「ルーツ」はかなり一般的に広い意味で、わかりやすく使える言葉のようです。
「ルーツ」の文学
「ルーツ(Roots)」という1976年刊の有名な小説があります。アメリカの黒人の作家ヘイリー(Alex Haley、1921~1992)が自らの出自をさかのぼり、白人社会に奴隷として連れてこられた、7代にわたる一家の系譜をたどった記録小説で、1977年にピュリッツァー特別賞を受賞しました。
これを受けてか、1985年には中国で、紅衛兵(中国の文化大革命の推進力となった、学生など青年たちの運動)世代の作家たちがいっせいに「儒教の正統的文化に対抗し、自らのルーツをかつて郷土に花開いた伝統文化に求める」と主張した作品を発表し、「ルーツ文学運動」と呼ばれました。