「あくせく」の意味や使い方
「あくせく」とは、目先のことにとらわれて気持ちが落ち着かない様子、また、休む間もなく仕事などで動き続ける様子のことです。
漢字では「齷齪」と書き、「齷」「齪」どちらも、歯と歯の間がせまくつまった歯並びを表します。元来は歯の間が狭いという意味が、転じて心が狭いという意味に、そして心に余裕がない様子の意味になりました。
「あくせく」の使い方
「あくせく」は副詞に分類される単語で、「あくせくと働く」のように、動詞を修飾する役割を持っています。
また、「小事にこだわりあくせく(と)する」のように、形式動詞である「する」を付加することにより、サ変動詞としても使用可能です。
ちなみにサ変動詞として使用する際、助詞である「と」を必要とするという説もありますが、一般的には助詞なしで「あくせくする」という用い方は容認されています。
「あくせく」の類語
「あくせく」の類語に、「こせこせ」「せかせか」「営々(えいえい)」があります。営々は文章語であまり使う機会はありませんが、どれも心にゆとりがなく、目先の利を求めて励む様子のことです。
一方「せっせと」「こつこつ」は様子が変わり、同じように仕事に動き回っていても、一生懸命さが強調され、いじましさ(意地汚くみっともない様子)が薄くなります。「こつこつ」は特に、目立たないが粘り強く着実に励む様子になり、また長期間のことを言います。
その他、聞きなれないかもしれませんが、「汲々(きゅうきゅう、ただそのことだけを行い、余裕がない)」「孜々(しし、一心につとめて休まない)」があります。金儲けに汲々としている、孜々として励む、というように使います。「その日暮らし」「仕事の虫」なども意味の近い言葉です。
「あくせく」の英語
「あくせく」の英語はto work hard(激務)となりますが、like a dog(口語的なニュアンス)、toil and moilなど、他にもいろいろ考えられます。
【例文】
- つまらないことにあくせくする…worry about little things.
- 彼女は一生をあくせくと過ごした…She spent her whole life fretting and fussing.