「いみじ」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは「いみじ」という言葉をご存知でしょうか。平安時代に使われたとても古い言葉で、現在では「いみじくも」という言い回しが「適切」という意味でなんとか生き残っています。ここでは「いみじ」の意味や使い方などを、順に紹介していきます。

目次

  1. 「いみじ」の意味
  2. 「いみじ」の使い方
  3. 「いみじ」と「いみじくも」

「いみじ」の意味

「いみじ」は「忌む」の形容詞形で、本来は、忌み避けたい感じを表す言葉でした。転じて、極度に甚(はなは)だしいという物事の程度・レベルだけが特化し、善にも悪にも言うようになりました。

平安物語文学で盛んに使われましたが、対して軍記物語ではほとんど使われないのが特徴の一つです。

「いみじ」の使い方

「いみじ」は甚だしいという意味の善悪どちらにも使われたので、真逆の意味を併せ持っています。

  1. 忌避(きひ)したいもののレベルが甚だしい。たいへん悲しい、つらい、困った、恐ろしい、情けない、など。(源氏物語「あないみじや。いとあやしき様を人や見つらん」)
  2. 賛美(さんび)したいもののレベルが甚だしい。とてもうれしい、素晴らしい、立派だ、など。(源氏物語「いみじき絵師」)
  3. 修飾語として。甚だしい、たいそうな、など。(竹取物語「いみじく静かに公に御文奉り給ふ」)

「いみじ」と「いみじくも」

「いみじ」の連用形「いみじく」に助詞「も」がついたのがいみじくも、とても上手に、適切に、という意味です。いみじくも言い得たというように使います。

本来、忌避したい、不吉に感じる、という言葉だった「いみじ」が、だんだんと悪だけでなく善をも表すようになり、最終的に真逆の良いことだけを意味する「いみじくも」が現代に残ったということです。なかなか興味深い言葉の変遷ですよね。

「いみじくも」の英語表現

「いみじくも」を表す英語には、admirably(見事に)、 exquisitely(この上なく)、aptly(適切に)などがあります。

  • 極楽鳥とはいみじくも名付けたものだ…"Bird of paradise" is an exquisite name for the bird. 
  • ○○氏がいみじくも言ったように…As Mr.○○ so aptly stated.


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