「前人未踏」とは?意味や使い方をご紹介

「前人未踏」とは、偉業や大記録を達成した際、記者会見やインタビューなどで耳にする機会の多い四字熟語です。同じような意味合いをもつもので、「人跡未踏」という言葉もあります。今回は、これらを解説しながら、「前人未踏」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「前人未踏」とは
  2. 「前人未踏」と「前人未到」
  3. 「前人未踏」と「人跡未踏」
  4. 「前人未踏」や「前人未到」が使われた会見やコメント
  5. AKB48の「前人未踏」
  6. 「前人未踏」のまとめ

「前人未踏」とは

「前人未踏」は、「前人未到」というもう一つの漢字表現をもつ四字熟語です。意味は、「今まで誰も足を踏み入れていないこと。誰も到達していないこと。」です。新聞やテレビのニュースなどでよく使われ、耳にする機会も多いです。しかし、二つの漢字表現をもっているため、どちらを使用するか迷うことが多いのではないでしょうか。

次では、この四字熟語の中の、「未踏」と「未到」を解説しながら、その使い方や例文を紹介します。

「前人未踏」と「前人未到」

「前人未踏」と「前人未到」との違いはあるのでしょうか?二つの違いについてや例文を紹介します。

使い分けについて

両者の違いは、四字熟語を構成する「未踏」と「未到」にあります。「未踏」は、「まだ、実際に足を踏み入れていないこと。」「未到」は、「まだその地点まで行っていないこと。」という意味です。国語辞典などには、両者ともに、「ぜんじんみとう」の四字熟語として併記されているため、どちらを使用してもかまいません。

しかし、新聞の用字用語においては、「みとう」の取り扱いについて、以下のような、使い分けをされています。

  1. 「未踏」━━土地や場所に足を踏み入れていないこと。
  2. 「未到」━━記録や業績などに達していないこと。

新聞等の報道関係では、このような使い分けを行っているため、それに倣(なら)ったような使い方をする場合が多いです。
 

例文

  • 探検隊は、ついに、前人未踏の奥地へ足を踏み入れた。
  • 彼らは、これから、前人未踏の山へ登ろうとしている。
  • 彼は、オリンピックで前人未到の大記録を達成した。
  • 何年もかけて、前人未到の発明を成し遂げた。

「前人未踏」と「人跡未踏」

「人跡未踏」という四字熟語があります。この言葉は、「今まで人が足を踏み入れたことがないこと。」という意味です。「前人未踏」の類義語となっています。「人跡」と「未踏」を合わせることによって、より具体的な表現となっています。

この四字熟語では、「人跡未到」という表現はありません。「前人未踏」は、「前人未到」と併記され、どちらの使い方も、可能となっています。しかし、「人跡未踏」は、「跡」と「踏」という漢字が相関関係にあるため、「未踏」に限定されています。

「前人未踏」や「前人未到」が使われた会見やコメント

「前人未踏」や「前人未到」が使われた会見やコメントはいくつかあります。次により、紹介します。

羽生結弦の会見

2018年、平昌冬季五輪フィギュアスケート男子シングルスで五輪連覇を遂げた翌日の会見内容です。
 

”四回転アクセルはやりたいなと思います。それは、小さいころの自分だったら「前人未到だから」と言うと思うが、今の僕の気持ちとしては、自分にとって、やっぱり最後の最後に支えてくれたのは、トリプルアクセルです。”
羽生結弦

羽生善治によせられたコメント

2017年、羽生善治将棋棋士は、「永世七冠」を達成した。その際に、よせられた加藤一二三将棋棋士からのコメントです。
 

”類い稀なる才能をたゆまぬ努力により開花させた羽生さんが、ついに前人未踏の金字塔を打ち立てられたことに最大限の賛辞を送りたいと思います。”
加藤一二三

AKB48の「前人未踏」

AKB48の楽曲の中に「前人未踏」という題名の曲があります。この曲は、AKB48 team a 6th stage 『目撃者』のアルバムに収録されています。
 

”私一人で愛の奥地を目指したけど前人未踏”
AKB48 『前人未踏』

この歌詞にあるとおり、前人未踏の愛の奥地を目指すさまを表現しています。
 

「前人未踏」のまとめ

この四字熟語は、二つの漢字表現をもっていることを紹介しました。「踏」と「到」、この一字の意味合いでニュアンスが変わってきます。このように、四字熟語を構成する漢字は、一字一字が他の漢字との相関性をもち、深い役割を担っています。

2020年、東京オリンピック・パラリンピックにおいて、日本人選手の前人未到の記録樹立に期待したいですね。・

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