姑の意味
「姑(しゅうとめ)」とは妻から見た夫の母親、あるいは夫から見た妻の母親です。現在では妻の母親も姑と呼びますが、歴史的には夫の母親だけを「姑」と呼んでいました。なお、「姑」の配偶者を「舅(しゅうと)」と呼びます。
姑の使い方
「姑」は失礼なので呼びかけに使われることはありません。第三者との会話の中で用いられる言葉です。本人がいない場合には「お」をつけて「お姑さん」という呼び方が一般的です。
ネット上では「しゅうとめ」のことを「トメ」と呼ぶことがあります。同様に「しゅうと」は「ウト」と呼ばれ、二人合わせて「ウトメ」となります。同様に「こじゅうとめ」は「コトメ」、「こじゅうと」は「コウト」と呼ばれています。
例文
- 「お姑さんとはうまくいっているの?」
- 「姑がまた口出してきてさぁ」
- トメをぎゃふんと言わせた。
姑のつく慣用句
姑の涙汁
「姑の涙汁(しゅうとめのなみだじる)」とは非常に少ないもののたとえです。姑が嫁につらく当たるという話はよく聞きますが、嫁と姑が仲良しという話はめったに聞きませんよね。
それだけ姑というのは嫁につらく当たるもので、同情や罪悪感の涙など流すことはほとんどない、という意味です。
姑の場ふさがり
「姑の場ふさがり(しゅうとめのばふさがり)」とは、結婚した二人にとって姑という存在は何かと邪魔になるという意味の慣用句です。
家庭に口出ししてくることや二人の時間が取れないこと、老後の面倒など、何かと重しになってくることを表しています。
姑の前の見せ麻小笥
「姑の前の見せ麻小笥(しゅうとめのまえのみせおごけ)」とは、人前でだけ働き者の振りをすることです。
「麻小笥(おごけ)」とは「麻笥(おけ)」のことです。木でできた円形の器のことで、浴室で使う「ふろおけ」などをイメージするのが分かりやすいでしょう。
元々は麻でできた糸を入れておく容器で、繕い物などに使われたようです。普段はしないけれど、何もしないでいると姑に文句を言われるから働いているように見せる嫁の姿に由来します。
姑去り
「姑去り(しゅうとめざり)」とは、姑が嫁を追い出すことです。子供ができないことを理由にして離婚させたり、いびり倒して実家に帰したりする場合に使われる言葉です。
姑のつくことわざ
姑の十七、見た者いない
「姑の十七、見た者いない(しゅうとめのじゅうしち、みたものいない)」とは、口先だけで確認できない、事実かどうかあてにならないという意味です。
「自分の若いころはこうだった、最近の若いもんは…」という具合に姑が嫁を批判することはよくあることです。自分が嫁に行ったときはできたのに、あなたはできていないというわけですね。
けれど、姑が結婚したころのことなど誰もわからないのだから真相は確かめようがない、どうとでもいえるという意味のことわざです。
似た表現のことわざに「親の十七、子は知らぬ(おやのじゅうしち、こはしらぬ)」があります。こちらは、親が自分の若いころの苦労話や説教をしても、子供には知る術もないという意味です。
姑に似た嫁
「姑に似た嫁(しゅうとめににたよめ)」とは、姑にいろいろと指導され、叩き込まれるうちに嫁は自然と姑に似ていくという意味のことわざです。
似た表現に「姑に似た嫁が来る」ということわざもあります。こちらは結婚当初の指導される前からすでに世姑に似ているという違いがあります。それだけ男性は母親に似た人を好きになるという意味を表します。