「チューブ(tube)」とは?
チューブの意味
「チューブ」とは「管(くだ)」のことであり、英単語「tube」をカタカナ表記したものです。主な意味は以下の通りです。
- 管、筒
- 管[筒]状のもの、(絵の具などの)チューブ、【生物】管、管状器官、(管楽器の)管
- トンネル、(ロンドンの)地下鉄
- 真空[電子]管、ブラウン管
核となるイメージは「内部に連続した空洞を持つ、細長い構造物」です。断面は多くの場合円形かそれに近い形状であり、内外から加わった力が均等に分散しやすいため、一定の強度があることが特徴です。
チューブの用途・材質
チューブの用途は、大きく分けて内部の空洞に液体や気体を通す「導管」、またはそれらを保存する「容器」の2つがあり、材質は用途によって有機物から金属まで多様です。
身近にあるいくつかの代表的な「チューブ」とその素材を以下にご紹介します。
代表的なチューブ | 素材 |
生物の気管、消化管など | たんぱく質など |
ストロー | プラスチック |
自動車のタイヤチューブ | ゴム |
絵の具や軟膏のチューブ | アルミニウム、スズ、鉛 |
試験管(Test Tube) | ガラス |
「パイプ」や「ホース」との比較
「パイプ」「ホース」はいずれも「チューブ」と同じ「中空の管」を表しており、これらの言葉について明確な定義・区別はないとされています。
しかし材質や強度の違いによって、一般的には次のように呼び分けされることが多いようです。
- パイプ…曲げようとしても曲がらないもの。材質は鉄などの金属が中心であり、パイプオルガンやガスパイプなど、頑丈なイメージです。
- ホース…容易に曲げられるもの。給水ホースや消火用ホースなど、水を通すための柔らかい管というイメージです。材質はゴムやプラスチックなど。
- チューブ…曲げようと思えば曲げられるもの。材質はさまざまで、強度はパイプとホースの中間、もしくは、パイプもホースもチューブの一種であると考えて良いでしょう。
テレビとしての「チューブ(tube)」
英語の「tube」には「テレビ」の意味があります。現代ではあまり主流ではありませんが、かつてテレビなど受像機はほぼすべて「ブラウン管」(cathode-ray tube)と呼ばれる部品によって構成されていたことがその由来です。
日本ではテレビのことをチューブと呼ぶ習慣はありませんが、動画投稿サイトとして有名な「YouTube」(ユーチューブ)における「tube」がまさにテレビの意味であり、「YouTube」とはすなわち「あなたのテレビ」という意味になります。
地下鉄としての「チューブ(tube)」
チューブには「ロンドン地下鉄」という意味もあります。正式名称は「ロンドン・アンダーグラウンド」ですが、ロンドン市民の間では昔から「チューブ」(The Tube)という愛称が定着しています。
その由来は、独特のトンネルの形状にあります。通常、トンネルの多くは半円形や馬蹄形の断面を持っていますが、ロンドン地下鉄はその断面がかなり円形に近いものになっており、「管」を連想させるのです。
なお、地下鉄を表す英語としては「subway」や「metro」が一般的ですが、「tube」でもニュアンスは通じるため、例えば「go by tube」と言っても「地下鉄で行く」と解釈されます。
アーティストの「チューブ(tube)」
チューブ(TUBE)は、日本のロックバンドの名前としても有名です。アマチュア時代は「パイプライン」という名前であり、1985年にデビューした当初は「The TUBE」と名前を変えましたが、さらにその1年後、姓名判断師のアドバイスに従って「TUBE」と改名しました。
バンド名はサーフィン用語「チューブライディング」に由来します。海の波が渦巻いた際にできる、波の内側の空間をチューブと呼び、その空間の波に乗る技術がチューブライディングです。夏や海をテーマとした楽曲が多い当バンドのセンスが表れたネーミングといえるでしょう。
他にもさまざまな「チューブ(tube)」がある
他にもさまざまな「チューブ」がありますので、最後にいくつかご紹介します。どれも「中空の長細い管」を表していることがおわかりいただけるかと思います。
- チューブワーム…深海に生息する管状の生物
- チューブワーム…釣り具の一種で、中が空洞になった長細いルアー
- チューブトップ…ぴったりとした袖なしで筒型の衣類
- チューバ…大型の金管楽器。名前の由来はそのまま「管」から
- トレーニングチューブ…筋トレ・ダイエット用のゴム製器具