「気さく」とは
「気さく」とは、「性格や態度が、気取らず打ちとけやすいさま」を表す言葉です。「気取らない」は、上品ぶったり体裁を飾らないことを表します。また、「打ちとける」は、心の隔て(へだて:距離や仕切りのこと)がなくなり親しみを感じることを表します。
「気さく」の由来
「気さく」は、「さくい」という形容詞に「気」が付き、形容動詞になった言葉です。「さくい」は、中世から伝わるもので、「壊れやすい」や「淡白である(味・色・態度などがあっさりとしていること)」という意味があります。
本来は、「さくい」のみでも「気さく」と同義で使われていました。なお、「気さく」の「さく」に当てはまる漢字はありません。
「気さく」の例文と使い方
- 美人で近づきがたいと思っていたが、話してみると案外気さくで好感を持った。
- 気さくな人柄の部長はみんなに慕われている。
- 転校して初めてできた友達が、笑顔で気さくに話しかけてくれたAちゃんだった。
このように、「気さく」は褒め言葉として使われます。「気さく」のわかりやすい特徴として、「笑顔」や「明るい態度」が挙げられます。さらに、「誰にでも平等に接すること」も大きな魅力です。自分の損得や好き嫌いを考えず、誰とでもフラットな気持ちで会話ができるのです。
ただ、自分に対して「私は気さくなタイプだから」などと使うのはやめましょう。「気さく」はあくまで他者に対して使う言葉です。自称すると、図々しいと思われてしまうかもしれません。
「気さく」の類語
心安い
「心安い」は「親しい間柄であること」や「懇意であること」を表します。また、「気軽である」という意味もあります。「みんな心安い人たちばかりでほっとした」「頼まれごとを心安く引き受ける」などが使用例です。
ちなみに、「心安きは不和の基」ということわざもあります。「不和(ふわ)」は「仲の悪いこと」、「基(もと)」は「物事の根本」を意味しています。「親しくなりすぎると無遠慮になり、かえって仲が悪くなることがある」という戒めです。
和気藹々(わきあいあい)
「なごやかな気分や雰囲気が満ちあふれているさま」を「和気藹々(わきあいあい)」といいます。
「和気」は「なごやかなさま」、「藹」には「おだやかなさま」や「おおいに」「さかんに」という意味があります。「和気藹々とした職場だ」など、個人ではなく、そのグループや団体の空気を表す際に使います。
「気さく」の対義語
気難しい
「気難しい」は「感受性や価値観に独特のくせがあり、自我が強くて接しにくい」という性格を表す言葉です。
また、「不機嫌である」という意味もあります。「気難しさ」にもさまざまなタイプがありますが、初対面ではどうしてもとっつきにくい印象を受けてしまうようです。
神経質
医学的に、「ささいなことに過敏になり、繊細で情緒が不安定になりやすい」さまを「神経質」といいます。一般的には「気にしなくていいような細かいことまで気にしすぎる性格」のことです。
仕事の面ではよく気がつきミスも少ないタイプですが、こだわるあまり疲労やストレスを感じやすいともいえるでしょう。近年では、HSP(生まれもった感受性の強さや過敏さを持つ人)という言葉も生まれています。
「気さく」を英語で表すと
- Friendly
- Down-to-earth
- Frank
「気さく」には上記のような英語表現があります。「Friendly」や「Frank」は、カタカナ表記でもよく使われる言葉ですね。
一方、「Down-to-earth」は直訳すると「地に足の着いた」になりますが、「気さくでとてもしっかりした性格」を表します。