オフサイドとは
オフサイドとは、サッカー競技規則の第11条「オフサイド」に規定されており、攻撃側が敵陣で待ち伏せをすることを防ぐためのルールです。具体的には、敵のオフサイドライン(オフサイドポジション)を越えた位置でパスを受ける行為のことを言います。
オフサイドの反則が取られると、ペナルティとして相手チームに間接フリーキックを与えることになります。
オフサイドポジションとは
攻撃側の選手がオフサイドポジションにいると、オフサイドが適用されます。オフサイドポジションとは以下の3つの条件に該当する位置のことを指します。
①敵側のピッチにいる
②攻撃する方向に対し、ボールより前にいる
③攻撃側の選手が、守備側のゴールキーパーを除いた一番後ろにいる相手選手(この選手をオフサイドラインと言います)よりゴールラインに近い位置にいる
③は要するに、攻撃側がボールを受けるためには、敵のゴールキーパーともう1人選手が前にいないとオフサイドになってしまうということです。
オフサイドが成立するとき
原則的に味方からパスを出された瞬間(ボールを蹴る瞬間)に、オフサイドポジションにいた選手がボールに触れることで、オフサイドが成立します。ただし、ボールに触れなくてもオフサイドポジションにいるだけで反則を取られることがあります。それは以下の3つのパターンです。
①ボールに干渉する
②敵のプレーに干渉する
③オフサイドポジションにいることが利益になる
なお、スローインやゴールキック、コーナーキックをオフサイドポジションで直接受けた場合は、オフサイドは成立しません。
オフサイドの使い方
①ディフェンスがオフサイドラインを上げ、故意に敵へオフサイドをかけたとき
「上手く最終ラインをコントロールしてオフサイドトラップをかけたね」
②攻撃側がオフサイドラインのギリギリから裏へ抜け出し、得点を決めたとき
「あの選手はオフサイドラインからの抜け出しが抜群に上手い」
オフサイドの歴史
オフサイドが現在のルールになるまでに、いくつかの過程を経ています。オフサイドの原型が規定された当初は、「ボールの前でパスを受けてはならない」とされ、まるでラグビーのようでした。
現在のサッカーはフォーメーションが多様化され、様々な戦術が駆使されることにより、面白みが出ています。これはオフサイドによってもたらされたといっても過言ではありません。
オフサイドの原型の誕生
19世紀のイングランドでフットボールが誕生しました。しかし、当時のフットボールはルールに統一性がなかったため、1863年にロンドンにてルール統一を目的とした会議が開かれました。
この会議で、1848年に制定された「ケンブリッジ・ルール」というルールを基に、フットボール・アソシエーション式のルールが制定されました。
このルールに含まれるオフサイドの原型となる内容が、「ボールより前にいる選手は、アウト・オブ・プレーとし、プレーに関与することができない」というものでした。ボールより前にいる選手に対してパスを送れないため、現在のラグビーのオフサイドに相当するようなルールでした。
当時は、このルールにより全員攻撃、全員守備が主流で、ポジションがフォワードとゴールキーパーしかない状況でした。
3人制オフサイド
先述の規定は、1866年に見直され、条件付きでボールより前にいる選手に対してパスを出すことができるようになりました。その条件とは、ボールとゴールラインに間にゴールキーパーと他に相手選手が2人いなければならないというものでした。これを「3人制オフサイド」と言いました。
このルールが誕生したことによって、守備を担当するものというポジション(ディフェンス)が誕生し、現在のサッカーの根源ともいえる形になってきたのです。
2人制オフサイド
さらに1925年に、再びオフサイドに関するルールの見直しが行われました。ここで現在のサッカーにおけるオフサイドである、ゴールラインとボールの間にゴールキーパーと相手選手が1人いなければならないというルールになりました。