"メンタル"の意味
"メンタル"は英語の"mental"をカタカナにしたもので、以下のような意味を持ちます。
- 精神の、心的な
- 知力の、知的な、有能な
- 頭の中で行う、そらでする、観念的な
- 精神病(治療)の
- 頭がおかしい、ばかな
"mental"の原義は「心(ment)に関する(al)」というものですから、表す意味はすべて心に関するものとなります。また、以上の意味はすべて形容詞用法ですが、"mental"を名詞的に用いれば"精神病(患者)"という意味になります。
日本における「メンタル」の意味
日本語のカタカナ表記での"メンタル"は主に「心的、精神的」という意味を持ちます。「メンタルテスト」と言えば「心理テスト」となりますし、「メンタルヘルス」と言えば「精神衛生」となります。
「メンタル」の使い方
カタカナ語「メンタル」の使い方には、以下のようなものが例として挙げられます。
- メンタルが弱い
- メンタル面を鍛える
- メンタルに悪影響を及ぼす
昨今、日本でも「精神的」「心理的」という硬い言葉より、メンタルという表現のほうが馴染み深くなりつつあります。心理状態や心理傾向を意味する「メンタリティー」や、ネットスラングである「メンヘラ」、「メンタリスト」なんて言葉もありますね。
英語の用例としては、"mental illness"(精神病)や"mental food"(心の糧)、"mental anguish"(精神的苦痛)などがあります。
哲学的「メンタル」
"mental"に"ism"をつけると、"mentalism"つまり「唯心論」という言葉を表します。これは精神の独立した存在と優位性を説く学説で、「人間社会において、心こそ至上の要因である」とする存在論における立場の一つとなっています。
この思想は、プラトンに影響を受けたとされるプロティノスを起源とし、アウグスティヌスやライプニッツ、ヘーゲルなどが説いてきたものです。哲学において"mental"という言葉はとても重要な立ち位置にあるのです。
ちなみに、先ほど例に挙げた「メンタリスト」は、本来「唯心論者」を指す言葉です。ただし最近TVなどで話題になっているのは、「読心術者」あるいは「メンタルマジックを行う者」という意味での「メンタリスト」です。
「メンタル」の関連語
類語
"メンタル"の類義語には以下のような言葉が当てはまります。
- 心的
- 内的
- 心理的
- 内面的
- サイコロジー
これらはすべて心に関する事柄を表しており、"メンタル"の原義にも合致します。
対義語
「メンタル」という言葉が"心に関すること"を表すので、その対義語は"身体に関すること"を表すことになります。カタカナ語でいうなれば、「フィジカル」がそれに該当します。「肉体的」という日本語訳を持ち、「心」とは正反対の「身体」を表しているのです。