「フィジカル」の意味
「フィジカル」とは外来語で、"physical"と表記します。1970~1980年代に活躍した歌手、オリビア・ニュートン・ジョンの代表曲のタイトルでもありますね。元々の意味は「自然(界)の」「物質の」という意味ですが、現在では以下のような意味で使われます。
- 物質的
- 物理的、物理学的
- 肉体的、身体的
スポーツ業界の「フィジカル」
日本で「フィジカル」を使用する場合、スポーツの世界では、「身体」を指して「フィジカル」と言います。
【使用例】
- 次の試合に向けてフィジカルトレーニングを強化する。
- フィジカル面では大差なかったが、相手のメンタルが強かった。
- あの選手はフィジカルが強い。
フィジカルトレーニング
「フィジカルトレーニング」は、最近スポーツの世界で特によく聞くようになった言葉です。通常の筋トレとの違いは何でしょうか。
フィジカルトレーニングには、大きく3種類のトレーニングがあります。
- 柔軟性を高めるトレーニング(ストレッチなど)
- 有酸素トレーニング(ウォーキングなど)
- 無酸素トレーニング(ウエイトトレーニングなど)
ビジネス業界の「フィジカル」
ビジネスでは、「物体」という意味で「フィジカル」を使用します。ダウンロード配信による実体を伴わない商品の売買が一般的となったため、そのようなデジタルリリースと区別して「フィジカル」が使用されるようになりました。
【使用例】
- フィジカルリリース(CD, DVDなど実物の商品を発売すること)
- フィジカルな本(電子書籍でなく、紙の本)
英語の「フィジカル」
英語の"physical"は、「身体の」「物質の」という意味で使用される点が日本語と共通しています。その他の使い方として、「物理的な」「自然科学の」という意味でも使用されます。
【使用例】
- physical evidence : 物的証拠
- physical chemistry : 物理化学
- a physical phenomenon : 自然現象
また、くだけた言い方で、「乱暴な」「荒っぽい」という表現で使う場合もあります。
【使用例】
- physical defence : 荒っぽい守備
曲のタイトルとしての「フィジカル」
前述のとおり「フィジカル」は、1981年にオリビア・ニュートン・ジョンがリリースした曲のタイトルでもあります。全米でビルボード10週連続1位、1982年度の年間チャート1位など、爆発的ヒットを記録しました。
ミュージックビデオではオリビア・ニュートン・ジョンがレオタード姿でエアロビクスを踊っており、当時のフィットネスブームを象徴したものでした。
曲の歌詞の中に"Let's get physical"というフレーズが出てきます。これを日本語に翻訳すると、「身体を鍛える」「野性的になる」という二重の意味に解釈することができます。
「フィジカル」の対義語
「身体」を指す「フィジカル」の対義語
「身体」の意味で「フィジカル」が用いられる場合、「精神」を指す「メンタル」が対義語に当たります。
【使用例】
- メンタルが弱い。
- フィジカルとメンタルの両面を鍛える。
「物体」を指す「フィジカル」の対義語
目に見える形を伴う「物体」の対義語は、「仮想」「空想」を指す「バーチャル」です。「バーチャル」の対義語は「リアル(現実)」ではないのかと思った方もいるかもしれません。しかし、アメリカでは「五感で体験できるもの」という意味で「フィジカル」を対義語と捉えています。
【使用例】
- ARの技術でバーチャルな空間とフィジカルな空間の融合が図られた。
- CGのキャラクターがYoutubeの動画配信者となることをバーチャルYoutuberと言うらしい。