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「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」とは?
「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」とは「大きな目標を達成するためには、対象に直接当たるより、その周辺の問題から片付けていくほうがよい」という意味を持つことわざです。
「将を射んとせば先ず馬を射よ」、「将を得んとせば馬を射よ」、「人を射るには先ず馬を射よ」とも言います。敵の大将を射ようとするなら、まずその大将が乗っている馬を射て、その後で大将を射よということを意味しています。
「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」の由来
「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」の由来は、唐の詩人である杜甫(とほ)が『前出塞(ぜんしゅっさい)の詩』の中で、「人を射るには先ず馬を射よ、敵を擒(とりこ)にせば先ず王を擒にせよ」と詠んだのにあるとされています。
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の使い方
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」はビジネスや恋愛のアドバイスなどに用いられることがあります。
- 将を射んと欲すればまず馬を射よというように、あの社長に近づきたいのであれば、まず秘書課長と仲良くなっておくべきだろう。
- 彼に告白する前に、まずは彼が親しくしている人たちと友達になろう。将を射んと欲すればまず馬を射よだ。
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の英語表現
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」を英語で表すと”He that would the daughter win, must with the mother first begin"となります。
「その娘を獲得するのを欲するなら、その母親からまず始めよ」という意味です。ある女性と結婚したいのであれば、まずは母親と仲良くなることから始めよということです。
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の類語
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の類語は「外堀を埋める」です。「外堀を埋める」とは「ある目的を達成するためには、まず周辺の障害から取り除いていく」という意味のことわざです。
直接対決を避けて、遠回しの作戦を取ることを言います。城を攻略するためには、まず外側の堀から埋めていくことから出来た言葉です。
- 彼はある会社を乗っ取るために、従業員に近づくという外堀を埋める作戦に出た
「馬」に関連することわざ
「牛は牛連れ馬は馬連れ」
「牛は牛連れ馬は馬連れ」とは「似たものどうしは集まりやすいこと」、「似たものどうしが集まると物事がうまくいくこと」のたとえとして使われることわざです。
牛と馬では歩調が合わないが、牛どうし、馬どうしならば足並みもそろうことから来ています。「馬は馬連れ鹿は鹿連れ」とも言います。
類表現には「類は友を呼ぶ」、「似たもの夫婦」、「類を以って集まる」、「同類相求む」などがあります。
「馬の耳に念仏」
「馬の耳に念仏」とは「人の意見や忠告を聞き流すだけで、少しも聞き入れようとしないこと」、「高尚な話を聞いても一向に理解できないこと」のたとえとして使われることわざです。
「馬に念仏」とも言います。馬に有り難い念仏を聞かせてもむだであることから来ています。馬はその耳に風が当たっても一向に気にとめないことから、「馬の耳に風」とも言います。
「馬子にも衣装」
「馬子にも衣装」とは「どんな人間でも外面を飾れば立派に見えること」のたとえとして使われることわざです。
「馬子にも衣装髪形」とも言います。「馬子」は、「駄馬に人や荷物を乗せて運ぶことを仕事とした人」のことを意味する言葉です。馬子のような身分が低くいやしい者でも羽織袴をつければ立派に見えることから来ています。
「竹馬の友」
「竹馬の友」とは「竹馬に乗って一緒に遊んだ幼い頃からの友達。幼友達。幼なじみ。」を意味することわざです。
「竹馬」とは「馬に見立てて先端にたてがみをつけた竹の棒」のことです。子供はそれにまたがり、一端を地につけて走り回りました。