「tkg」とは
意味
「tkg」とは、「卵かけご飯」の略です。「卵かけご飯」の「卵」「かけ」「ご飯」の頭文字をとって、「tkg」と略されています。卵かけご飯は、家庭や個人によって作り方や調味料は様々ですが、一般的にはご飯に生卵をかけ、しょうゆなどで味付けしたご飯ものを指します。
由来
卵かけご飯を「tkg」と略すようになった由来は、2007年に発行された料理本『365日たまごかけごはんの本(T.K.G.プロジェクト)』が始まりと言われています。
同書では365種類のオリジナル卵かけご飯が紹介されていますが、その卵かけご飯の呼称として「たまごかけごはん」の代わりに「T.K.G.」という言葉が使われています。それが元になり、現在の「tkg」が使われるようになったようです。
使い方
「tkg」は、シンプルに「卵かけご飯」の略として使用します。
例)
「今日の朝ごはんはtkgだった」
「tkgおいしいよね」
という具合です。
また、前項の『365日たまごかけごはんの本』では、それぞれの卵かけご飯に「醤油T.K.G.」「チーズサンシャインT.K.G.」といった名前がつけられており、同様にオリジナルの名前がついた「卵かけご飯」の略としても使用することがあります。
例)
「チーズ明太tkg」
「バター醤油tkg」
など、オリジナル要素を含んだ卵かけご飯の「卵かけご飯」部分を省略するのに使います。
国民食ともいえるtkg
tkgは、現代の日本人にとっては非常になじみ深い食べ物で、国民食ともいえる存在です。しかし、外国人からはゲテモノとみられることもあるようです。
そもそも、外国では鶏卵を生で食べるという文化がほとんどありません。理由は、鶏の卵には食中毒を引き起こすサルモネラ菌がついている可能性があるためです。
サルモネラ菌は、鶏の糞などから卵に移ったり、産卵時に卵についてしまったりすることがある細菌です。汚染された卵からサルモネラ菌を摂取してサルモネラ食中毒になると、腹痛や下痢、嘔吐などの症状があらわれます。サルモネラ菌は十分に加熱を行うことにより死滅するため、海外では卵は加熱して食べるものと考えられていることが多いようです。
日本では、tkgのように生で食べることを想定していることもあり、鶏卵に対する衛生管理が行き届いています。パック詰めにする前に殺菌処理を行うなどの処置が施されており、パックに表記されている賞味期限内であればほとんど安心して食べることができます。
そのような背景もあり、日本ではtkgはかなりポピュラーな食べ物となっています。岡山県にはtkgを中心としたメニューを展開するお店があったり、様々なメーカーからtkg専用の醤油やふりかけといった調味料が販売されていたりします。タカラトミーからは、「究極のTKG」という、tkgを作るためのおもちゃも販売されました。また、tkgの魅力を語り合うシンポジウムなども開催されているようです。
tkgの歴史
古来の日本では、殺生を忌み嫌う仏教の考えから、動物の肉や卵はほとんど食べられていませんでした。その後、江戸時代頃になって西洋から肉食の文化とともに卵を食べる文化が伝わりましたが、この時点でも、卵を生で食べる習慣はほとんどなかったようです。
日本で初めてtkgを食べた人物は、日本初の従軍記者であり、実業家、教育家でもあった岸田吟香(きしだぎんこう)とされています。1972年(明治5年)にtkgを初めて食した岸田吟香は、周囲にもtkgを勧めたといいます。
tkgの栄養価
tkgの栄養価は、アレンジなどによって様々ですが、最もシンプルなtkgのレシピ(ご飯+卵+醤油)で茶碗一杯およそ350キロカロリーとされています。
卵は生物が生きていくのに必要な栄養がほとんどすべて含まれているため、完全栄養食品とも呼ばれ、栄養学的にとても優秀な食品です。ただし、tkgは主体がご飯なので糖質制限には向いていません。
tkgアレンジレシピ
tkgには様々なアレンジレシピが存在します。元がシンプルなため、色々な調味料や具材に合うようです。人気のトッピングは納豆や鰹節、海苔、ネギなどですが、ごま油を加えたものも香りが立って美味しく食べられます。醤油の代わりにめんつゆやお吸い物の顆粒を入れるレシピもあります。
他にも、干しエビを入れたり、すりおろしにんにくを足したりと、ユニークな楽しみ方もありますので、ぜひ自分好みの味付けやトッピングを探してみてください。