1カップは何㏄?
計量カップ
料理のレシピを見ていると、「水1カップ」とか「牛乳400㏄」、「だし汁500ml」などと、いろいろな表記があって混乱してしまうことがあります。「1カップ」とは一体どのぐらいの量なのでしょうか?
料理などに使われる計量カップは、1カップが200㏄です。「㏄(シーシー)」も「ml(ミリリットル)」も体積を表す単位で、「1㏄=1ml」です。
計量カップよりも少量を図るときに使われる計量スプーンには、「大さじ」と「小さじ」があり、大さじ1杯が15㏄、小さじ1杯が5㏄です。しかし、計量スプーンを買うと、大さじと小さじ以外にもっと小さいスプーンやもっと大きいスプーンがついていることがあります。
一番大きいのが大さじで一番小さいのが小さじとは限りません。スプーンの柄の部分等に、「15㏄」「5㏄」「2.5㏄」などと書いてありますので、慣れないうちは気を付けて使いましょう。
1カップの分量を決めた人は誰?
1カップが200㏄、大さじ1杯が15㏄、小さじ1杯が5㏄、と決められているからこそ、料理のレシピを参考にすれば誰でも同じ味を再現することができます。日本で最初にこの量を決めたのは、女子栄養大学の創立者である栄養学者の香川綾博士です。
香川博士は日本の家庭料理や古来の料理本を研究しつくし、料理をする誰もが勘や経験に頼らなくても味付けが簡単にできるようにと考えました。戦後に香川博士が考案した計量カップと計量スプーンによって、誰でも同じように料理できる「レシピ」が作れるようになり、日本の家庭料理が変わっていったのです。
日本とアメリカの1カップの違い
日本では計量カップは200㏄と決められていますが、アメリカ規格のカップは少し大きく、およそ240㏄です。およそというのは、実はアメリカの計量カップは、ものによって量が違うことがあり、235㏄~250㏄の間であればOKという感じのようです。
アメリカのレシピを参考に料理をするときには、1カップの量が違うことに気を付けたほうがいいですね。
おもな調味料や食品の1カップの重さは?
レシピには、「牛乳1カップ、小麦粉180g」というふうに、カップで計るものと、重さで計るものとが並べて書いてある場合があります。いっそのこと、両方とも同じ道具で計れたら楽なのに!と思うことがありますよね。
水は1㏄=1gなので、すぐに換算することができますが、醤油や砂糖になると同じように換算するわけにはいきません。主な調味料や食品の1カップ、大さじ1杯の重さを見てみましょう。
調味料・食品名 | 大さじ1杯の重さ(g) | 1カップの重さ(g) |
---|---|---|
水 | 15 | 200 |
酒 | 15 | 200 |
本みりん | 18 | 230 |
塩 | 18 | 240 |
上白糖 | 9 | 130 |
はちみつ | 21 | 280 |
油 | 12 | 180 |
薄力粉 | 9 | 110 |
パン粉 | 4 | 45 |
米 | 12 | 170 |
お米も1カップ200㏄?
日本の計量カップの規格は1カップ=200㏄と決まっているのですが、日本でよく使われるカップには、別の大きさのものがあります。お米のカップです。炊飯器や米びつを買うとついてくるお米のカップは、普通の計量カップより少し小さめの1合=180ccです。ちなみに、1合のお米の重さは150gになります。
「合」というのは、日本で長く使われてきた「尺貫法」での体積の単位になります。現在の日本では商取引で尺貫法を使うのは禁止されているのですが、今でもお米やお酒には「一合」や「一升」という単位が使われています。それだけ日本人にとって、お米やお酒は古くからなじんできた食べ物だということができますね。
レシピにお米が出てきたときには、お米のカップは180㏄!と気を付けてください。
まとめ
1カップの意味をお伝えしてきました。今、私たちがいろんなレシピをみて新しい料理に挑戦できるのも、香川博士が作ってくださった計量カップや計量スプーンのおかげですね。