「残当」の意味は?
「残当」の意味は、「残念だが当然」という意味です。ニュアンスとしては残念な結果だけど予測できた出来事や、自業自得で起こしてしまった出来事に対して「ほら、言わんこっちゃない」と遠目に批判する感じでしょうか?後述するその元ネタが、人の失敗談を発端にしているネットスラングというだけあって、少し皮肉気味な意味合いです。
「残当」の使われ方
「残当」はどういう時に使えばいいのでしょうか?日常的には、「全く勉強せずに一夜漬けでテストに挑んだら赤点だった」、「残当」。「何で高校生はローンを組んだり出来ないんだろう?」、「社会的な信用が無いから、残当」という、相手をなだめる様な使われ方が見受けられます。
ニュースに対してのネット掲示板のコメントでは、よく、「当然だろう、馬鹿馬鹿しい」という、その内容を非難する文脈で使われています。また、あまり残念だとも思っていない様子で、「妥当」、「穏当」とほぼ同じニュアンスで用いられるケースもあります。
使いどころが沢山ありそうな言葉ですが、あくまでネット用語。目上の方との会話や仕事上の会話で使うのは避けた方が良いでしょう。
「残当」の元ネタは?
「残当」はネットスラングですが、その発祥は2006年に大型ネット掲示板2ch(2ちゃんねる)の野球chで建てられたスレッドです。巨人vsヤクルト戦において当時何度も抑えに失敗していた巨人の豊田清投手が、この試合でも最終回に逆転負けを許してしまったという結果を受けて建てられたスレッドで、豊田投手が首都高4号線外苑出口付近で大型トラックに飛び込んで自殺してしまい、それに対して当時巨人の監督だった原辰徳監督が「残念だが当然。男らしい最期と言える」とのコメントを残したという内容でした。
その後どうやって広まっていった?
勿論このスレッドの話は嘘の作り話。豊田投手が投身するなどという事件はなく、したがって原監督のコメントも一切虚偽です。ネタだとあらかじめ示すためか否か、豊田投手の年齢には誤りがありました。
しかし、2chのスレッドをまとめる2chまとめブログなどの存在も手伝い、「残念だが当然」というフレーズがネット掲示板を利用する人々の間で気に入られ、次第に広まっていきました。
原監督は本当に「残念」と言ったことがある?
ちなみに原監督は実際に「残当」と似たような発言をしたことがあり、一部のネットユーザーの間ではささやかながら話題になりました。それは2009年のクライマックスシリーズにおいて、登板が予想されていた投手の久保裕也選手と、同年にようやく2軍から開幕ベンチ入りした外野手の加治前竜一選手が共にインフルエンザで離脱した時のコメントで、「残念だが仕方ない」と発言しています。
ただしこの場合の「残念」は含みのない、本当に残念だと思っている「残念」ですね。
「残当」の派生語は?
現代社会は新しい言葉でもどんどん普及していくネット社会。広まっていくにつれて、意味や使い方は変わっていくものです。
現在は本来の使い方の他に、個人の人柄や能力、あるいは社会的な状況などを加味して「残念でもないしむしろ当然」という、本来の「残当」よりも厳しい意味で「残当」という場合や、「残念ながら当然」で「残当」という場合もあるようです。
ネットスラングはそのおおまかな意味を知っておくだけでいいという人が大半だと思いますが、文脈から判断し、どういった使われ方をしているのか見極める事はどんな文章を読むときにも必要で、書く時においてもそれは同じですね。