「控えめ」とは?意味や使い方をご紹介

「控えめ」は、「塩分控えめ」や「控えめな色」「控えめな人」など、日常的に使われるのでお馴染みの言葉でしょう。しかし「塩分少なめ」と「塩分控えめ」の意味の違いの説明を求められたら、ちょっと言葉に詰まるかもしれませんね。そんな「控えめ」についてご紹介致します。

目次

  1. 「控えめ」の意味
  2. 「控えめ」と「少なめ」の違い
  3. 装飾を「控えめ」にする
  4. 「控えめ」な振る舞いとは
  5. 「控えめ」に言って

「控えめ」の意味

「控えめ」は形容動詞に分類され、意味はおおまかに以下の三つに分けられます。

  1. 少なめにすること
  2. 色や装飾など、地味にすること
  3. 遠慮がちなこと、遠慮がちな振る舞い

「控えめ」と「少なめ」の違い

「控えめ」の意味が「少なめにすること」の場合、「少なめ」のほうが汎用性が高く、多くの場面で「控えめ」を「少なめ」と置き換えることが可能です。

「少なめ」とは数・量を示す言葉で、「少ないまたはやや少ないと思われる程度」のこと。すなわち「少なめ」が量の程度そのものであるのに対して、「控えめ」の意味は量を加減して少なくすることです。「控えめ」は対象が加減できる物の場合にしか使うことができません。

  1. ダイエットしているから砂糖少なめにしてね。
  2. ダイエットしているから砂糖控えめにしてね。
例文の「砂糖少なめ」は、砂糖の量そのものに言及し、「砂糖控えめ」は、砂糖の量を減らすこと、言い換えると、量をコントロールして少なめにすることに言及しています。「塩分控えめ」「甘さ控えめ」や「お酒を控えめにする」など、食品に「控えめ」という言葉が使われることが多いのはこのためです。

「控えめ」の間違った使い方

砂糖の場合は「控えめ」「少なめ」どちらを使ってもかまいませんが、「少なめ」を「控えめ」と置き換えられない場合があります。

  1. 正)例年に比べ、降雨量は少なめだ。
  2. 誤)例年に比べ、降雨量は控えめだ。
数や量そのものを問題としているとき、「控えめ」は使えません。それに、人間が降雨量を減らすことはできませんね。2.は用法として誤りですのでご注意ください。

装飾を「控えめ」にする

ファッションや色を、地味・普通・派手の3種類に分けるならば、「控えめ」は、地味にあたります。

職種にもよりますが、仕事場で派手な口紅をつけた女性はあまりいませんよね。職場ではイヤリングなどの装飾も小さく、目立たない物にします。

しかし、地味や目立たない色ではテンションが下がってしまう女性も、「控えめな色」と言い換えれば多少なりとも印象がよいのではないでしょうか。「控えめ」は、キャッチコピー的に使われている場合があります。

  • オフィスでもOK控えめネイル、さりげなくおしゃれして気分も効率もUPしよう。
  • 普段は派手だが、職場では控えめコーデを心がけている。
  • 赤を少なめにして、全体的に控えめな色合いにしよう。

「控えめ」な振る舞いとは

「控えめ」の意味が、「遠慮がちに振舞うこと」の場合、主に人の性格や振る舞いに対して使われ慎み深い、低姿勢、謙虚など様々な意味に変化します。

  • その話をするといつも大口開けて笑う彼女が、この時ばかりは控えめな笑みを浮かべるだけだった。(慎み深い笑み)
  • 彼女は大人しく、控えめな女性だ。(慎み深く謙虚な性格の女性)
  • 聞くのをためらったが、控えめな声で尋ねてみた。(遠慮がちな声)
  • 人見知りではないのだが、初対面の人には自然と控えめになる。(遠慮が入る)
  • いつもボス面している野良猫が、ケンカに敗れたその日は控えめな態度だった。(低姿勢)

「控えめな人」の意味は昔と違う?

古代中国、周の思想家、老子は、人の望ましい態度として「控えめが良い」と述べています。

老子の思想「柔弱謙下」(じゅうじゃくけんか)や「止足の戒め」(しそくのいましめ)を簡単に説明すると「物欲や名誉欲をほどほどにし、慎み深く、控えめな態度でいなさい」となり、老子のいう「控えめな人」というのが「謙虚な人」だとわかります。老子の思想を受けた日本では「控えめな人」は褒め言葉でした

しかし、自己主張も必要な昨今、「控えめな人」は、単純な褒め言葉ではなくなりつつあります

「控えめな人」は自己顕示欲がなく、人と対立するようなことはしないので、日本の伝統的人間評価でいけば、良い人です。その反面、何事も受身で消極的、目立たない、自分の意見を言わないので本音が分からない等、マイナスイメージで語られることも増えてきました。「控えめな人」が苦手という人も少なからずいるようです。

若い方に褒め言葉のつもりで「控えめな人ですね」と言うと、「暗い人、存在感が薄い人」と受け取られ、落ち込んでしまうかもしれませんので、使い方には注意してくださいね。

「控えめ」に言って

「控えめに言って」は「実際より少なめに言って」の意味で使われ、ごく普通の表現です。しかし、組み合わせによって一種の誇張表現となった「控えめに言って〇〇」がSNSなどで使われています。当サイトで詳しく解説していますので、そちらをご参照ください。

「控えめに言って」とは?意味や使い方をご紹介

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