サスペンスとは?サスペンスの意味
物語中の危機的状況が読者や観客に与える不安や緊張感、はらはらする心理状態を指します。
サスペンスの説明
サスペンスは、英語の「suspense」に由来し、「宙吊り状態」や「不安な気持ち」を意味します。語源的には、ズボン吊りを意味する「サスペンダー」と同じルーツを持ち、観客の気持ちを宙吊りにする効果からこの名前が付けられたと言われています。現代では、単に心理的な緊張感だけでなく、そうした感情を引き起こす映画や小説そのものを指すことも多くなっています。例えば、主人公が危険な状況に陥る場面や、次の展開が読めないどんでん返しなど、視聴者や読者をハラハラさせながらも最後まで引き込む手法全般がサスペンスの要素と言えるでしょう。
サスペンス作品の魅力は、日常では味わえない非日常的な緊張感を安全に体験できるところにあるのかもしれませんね。
サスペンスの由来・語源
「サスペンス」は英語の "suspense" から来たカタカナ語で、語源はラテン語の "suspendere"(吊るす、宙吊りにする)に遡ります。もともとは「未決定状態」や「不安な期待」を意味し、文学や演劇において観客や読者を「宙吊り状態」にする技法を指すようになりました。面白いことに、衣服の「サスペンダー」と同じ語源を持ち、どちらも「吊るす」という概念から派生しています。この語源が示すように、サスペンス作品は視聴者の気持ちを文字通り「宙吊り」にする効果を持っているのです。
語源の「宙吊り」という意味が、まさに作品の効果を言い表しているのが面白いですね。
サスペンスの豆知識
サスペンスの名作として知られるアルフレッド・ヒッチコック監督は「サスペンスとサプライズの違い」について有名な解説を残しています。彼によれば、サプライズは観客が知らないまま爆弾が爆発する場面を見せること、サスペンスは観客に爆弾の存在と爆発時間を知らせてからその場面を見せることだそうです。この「観客が情報を知っている」という状態こそが、真正的なサスペンスを生み出す重要な要素なのです。また、日本では1980年代から「2時間サスペンス」というテレビドラマのジャンルが定着し、平日の夜の時間帯を席巻しました。
サスペンスの言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「サスペンス」は英語から日本語への借用語(loanword)であり、音韻的にも形態的にも日本語化が進んだ例と言えます。原語の "suspense" [səˈspɛns] が日本語では「サスペンス」[sasɯpeɴsɯ] となり、日本語の音韻体系に適合するように変化しています。また、意味の面では元々の英語の意味をほぼ保持しつつ、日本語では特にエンターテインメント分野での使用が顕著です。このように、外来語が日本語に取り込まれる際に、特定の分野や文脈で専門用語化する現象はよく見られます。さらに、カタカナ表記されることで、元の英語とは異なる日本語独自の語感やニュアンスを獲得している点も興味深い特徴です。
サスペンスの例文
- 1 大事なプレゼンの前日に限ってパソコンがフリーズするなんて、まるでサスペンスドラマのような展開に思わず冷や汗が出た
- 2 スマホの充電が残り1%で、充電器までたどり着けるかどうかのサスペンスな状況に陥ったことがある
- 3 上司に呼び出されたとき、何の用事か全くわからずオフィスに向かう途中は毎回サスペンス気分だ
- 4 オンライン会議中に家族が突然部屋に入ってくるかもしれないというサスペンス感が、在宅ワークの日常になっている
- 5 試験の結果が発表されるまでの数日間は、人生で一番長く感じるサスペンスな時間だ
サスペンスの歴史的背景と発展
サスペンスという概念は、古代ギリシャの演劇にまでそのルーツを遡ることができます。アリストテレスの『詩学』においても、観客の感情を揺さぶる「悲劇的効果」としての要素が論じられており、これが現代のサスペンスの原型と言えるでしょう。
近代では、19世紀後半に登場した推理小説の父と呼ばれるエドガー・アラン・ポーや、シャーロック・ホームズシリーズのコナン・ドイルなどが、サスペンス要素を物語に取り入れる先駆者となりました。20世紀に入ると、アルフレッド・ヒッチコックが「サスペンスの巨匠」として登場し、映画におけるサスペンスの手法を確立しました。
- 1920年代:サイレント映画時代からのサスペンス手法の萌芽
- 1950-60年代:ヒッチコックによる黄金時代
- 1980年代:日本の2時間サスペンスドラマの流行
- 2000年代以降:心理的サスペンスの隆盛
サスペンスの種類と特徴
サスペンスは単一のジャンルではなく、様々な種類に分類できます。それぞれのタイプによって、観客に与える緊張感や楽しみ方も異なります。
| 種類 | 特徴 | 代表作品例 |
|---|---|---|
| 心理サスペンス | 登場人物の心理描写に重点 | 『サイコ』『セブン』 |
| アクションサスペンス | 物理的な緊張感と速い展開 | 『ダイ・ハード』シリーズ |
| スリラーサスペンス | 不安と興奮のバランス | 『羊たちの沈黙』 |
| 法廷サスペンス | 法廷での駆け引きと真相解明 | 『12人の怒れる男』 |
サスペンス作品を楽しむためのポイント
サスペンス作品を最大限に楽しむためには、いくつかのコツがあります。まずは作品に没頭できる環境を整え、細かい伏線や描写を見逃さないことが重要です。
- 最初から最後まで集中して観る(途中で中断しない)
- 登場人物の言動や背景の細部に注目する
- 予想を立てながら観るが、先入観を持ちすぎない
- 音楽や照明などの演出効果にも意識を向ける
- 観終わった後に友人と感想を語り合う
サスペンスの真髄は、観客が知っていることを登場人物が知らないという状況にある
— アルフレッド・ヒッチコック
よくある質問(FAQ)
サスペンスとミステリーの違いは何ですか?
サスペンスは読者や視聴者に不安や緊張感を与えることを主目的とし、ミステリーは謎解きや推理を楽しむことが中心です。サスペンスは「どうなるか」という過程の緊張、ミステリーは「誰がやったか」という真相の解明に重点が置かれます。
サスペンス作品のおすすめはありますか?
アルフレッド・ヒッチコック監督の「サイコ」や「北北西に進路を取れ」、最近では「GONE GIRL(ゴーン・ガール)」などが定番です。日本の作品では「容疑者Xの献身」や「そして誰もいなくなった」なども人気があります。
日常生活でサスペンスを感じる場面は?
重要なメールを送った後の返信待ち、試験の結果発表前、医者の診断を待つ時間など、結果がわからない状態でじらされる場面でサスペンスを感じることが多いです。
サスペンスが苦手な人でも楽しめる作品は?
心理的サスペンスよりは、アクションサスペンスやコメディ要素のある作品がおすすめです。「ミッション:インポッシブル」シリーズや、軽めのミステリー要素のある作品から始めるのが良いでしょう。
サスペンス作品を作るコツはありますか?
視聴者や読者にだけ情報を与える「ドラマティック・アイロニー」の活用、適度なペーシング、意外性のある展開が重要です。ヒッチコック曰く「爆弾がいつ爆発するか知っている状態」を作り出すことが鍵となります。