憚の意味とは
「憚(はばかり)」の意味とは
- 遠慮すること
- 差し支えること。差し障り
- (一目をはばかる所の意から転じて)便所
- 病む、疲れる、病気になる
- かしこまる、おそれつつしむ
憚るの意味
「はばかる」の意味は
- 威張る、幅を利かせる
- 遠慮する
- 広がる
- 憎まれっ子世に憚る:人から憎まれるような者に限って世間に出て幅を利かし、威勢をふるうこと
これ以外で「はばかる」を「威張る」と使ってしまうと間違った意味になります。少しややこしいですが、平安時代にはもう誤用されていたそうなので、皆さんは注意して使って下さい。
- 世を憚る:世間体を気にする、世間に気兼ねすることです。源氏物語で既に使われている表現で、「はばかる」の正しい使い方です。
憚の使い方
「はばかる」「はばかり」それぞれの使い方をご紹介しています。
- 図書館内では、周りに憚り注意して小声で話しましょう。
- 彼がなぜ人目を憚りひっそりと暮らしていたのか疑問が残る。
- 世間体を憚り過ぎて、彼女はいつも苛立っていた。
- 時代劇好きの彼は、憚に行くと言って席を立った。
- 周囲を憚らず号泣した。
- 天真爛漫な彼女は大声で憚りもなく笑った。
憚り乍ら
「憚り乍ら(はばかりながら)」は、「恐れ多いことながら」「おおげさに或いは生意気に聞こえるかもしれないが」といった意味の成句です。
使い方は「はばかりながらご忠告します。」「はばかりながらこれでも小説家の端くれだと自負している。」などです。こちらはよく聞くのではないでしょうか。
憚り様
「憚り様(はばかりさま)」は、相手の世話になった時の挨拶で、期待外れでお気の毒という皮肉をこめて答える言葉です。おあいにくさまとも言い換えることが出来ますが、最近は使う人がほとんどいないようです。
「五月の桜で葉ばかり様」と言えば、「おそれいります」「おつかれさま」の意味です。昔の人が桜の「葉」と「はばかり」をかけて言ったシャレです。
憚の類語
- 気兼ねする
- 遠慮する
- 恐縮する
- 慎む
憚「たん」を使った熟語
- 忌憚(きたん):いみはばかること。きらいいやがること。遠慮する事。忌憚ないなど否定の語とセットで使うことが多いです。
- 畏憚(いたん):おそれはばかること。おそれて気を遣い遠慮すること。
- 敬憚(けいたん):尊敬しておそれること
憚られるとは
憚られるとは、「憚る」の未然形「憚ら」に、受身・尊敬・自発・可能の助動詞「れる」が付いた形です。意味は「何かに気を遣って遠慮せざるを得ないこと、遠慮すること」です。
- 素人の立場で意見することは憚られるのですが、一言申し上げます。