「前人未到」とは?意味や使い方をご紹介

「前人未到」という言葉をご存知でしょうか。誰かが何かを成し遂げたとき、それを伝えるニュースや新聞などで、よく使われています。ここでは「前人未到」という言葉の意味や使い方、「前人未踏」との違い、類語などを、順々に紹介していきます。

目次

  1. 「前人」と「未到」
  2. 「前人未到」の意味
  3. 「前人未到」と「前人未踏」と「人跡未踏」
  4. 「前人未到」の使い方
  5. 「前人未到」の類語

「前人」と「未到」

まず「前人未到」は「ぜんじんみとう」と読み、この四字熟語は「前人」と「未到」、二つの言葉に分けられます。

「前人」について

「前人」とは、過去の人、昔の人、先人を表します。ここでの「前」は時間的な「前」なので、「今よりも前の人、これまでの人」とも言い換えられます。ちなみに先人には祖先や亡父といった意味もありますが、どちらにせよ過去の人間を指します。

「未到」について

「未到」とは、まだ誰も極めていないことや、まだ誰もそこへ到達していないことを表します。「未」の字は「いま」とも読み、「未だに」という風にも使われます。

「未だに」は「まだ」などの意味を持っており、一方の「到」は、そこに行きつくなどの意味を持っています。

そして「到」は表外で「いた(る)」とも読み、「いた(る)」には「到」の意味が含まれています。よって「未到」は、「未だに誰もそこへ到っていない」とも言い換えられます。

「前人未到」の意味

上述を踏まえて「前人未到」とは、過去の人間が誰一人としてそこへ到達していないこと、まだ誰も成し遂げていないこと、誰も足を踏み入れていないことを意味します。

「未到」だけでも似たような意味を持っていますが、「前人」と組み合わせることで対象を人間に限定し、「過去の人が誰も」と意味を強調しています。

いささか荒唐無稽な例えですが、宇宙の生命体がそこに到達すれば、それはもう「未到」ではありません。しかし人間が到達していなければ、それは「前人未到」だと言えます。

「前人未到」と「前人未踏」と「人跡未踏」

「前人未到」には「前人未踏」という、読み方が同じ言葉があります。「前人未踏」とは、過去の人が誰も足を踏み入れていないことを表します。つまり「前人未踏」は、「前人未到」の意味に内包されている言葉です。

「前人未踏」の由来と「人跡未踏」

少々ややこしいですが、「前人未到」と似た意味の四字熟語に、「人跡未踏」という言葉があります。「人跡未踏」は「じんせきみとう」と読み、過去の人が誰も足を踏み入れていない土地などを意味します。

そして「前人未到」は「人跡未踏」の意味を含むので、「未到」と「未踏」が混同された結果、「前人未踏」が使われ始めたのではないか、と考えられています。

よって元を辿れば「前人未踏」は誤用ですが、しかしながら現在では辞書にも載っている正しい言葉です。

「前人未到」の使い方

「前人未到」は、過去に誰一人として到達していない物事や、もしくは誰も成し遂げていなかったことを誰かが成し遂げたとき、使われます。

たとえば「前人未到の地」と使えば、「過去に誰も到達していない、誰も足を踏み入れていない土地」と伝わります。こちらは上述の「前人未踏」や「人跡未踏」も使えます。

一方で誰かがスポーツなどで新記録を出したとき、「前人未到の記録」という風に使われます。こちらは「その記録に到った」という意味で、「前人未到」が適切です。

「前人未到」の類語

「前人未到」の類語には、「未達成」や「世界初」などがあります。

「未達成」について

「未達成」は「みたっせい」と読み、まだ目的を遂げていないことを意味します。「前人未到」との違いとしては、「誰一人として」という意味を含んでおらず、過去に誰かが達成したことや、日常の何気ない場面でも使われます。

たとえば「出された課題が未達成だ」と使えば、「課題をまだ成し遂げていない、未だに終わっていない」と伝わります。

「世界初」について

「世界初」はそのまま、世界で初めてという意味です。こちらは「初めて」なので、「誰も成し遂げていなかった」という意味を含んでいます。

たとえば「世界初の発見」と使えば、「世界で初めての発見、これまで誰も発見していなかったこと」と伝わります。

一方でそれを成し遂げる対象は、人間に限定されません。たとえば「世界初、100メートルを〇秒で走る動物」のように、人間以外にも、世界で初めてならば「世界初」が使われます。

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