「炎上商法]の意味
「炎上商法」とは、ネット上でわざと炎上させ、アクセス数を増やして集客につなげる方法のことです。
新製品や新サービス、飲食店を宣伝する目的で、批判や感情的な反応を呼ぶような言動をあえて行うことにより注目を集め、知名度向上や売上げ増に転換させようという商売戦略のことを言います。
多くの人から反感や怒りの感情を集中されることで、炎が強く燃え広がっていくような状態になっていくのを例えた言葉です。
「炎上商法」の言い換え
「炎上商法」は「炎上マーケティング」とも言われています。ネット上では略して「炎マ」などとも呼ばれています。
また「マッチポンプ商法」といって、出来事や結果について、あたかも他の人が起こしたかのように見せかけて、自分で解決して見せるといった、自作自演によって利益を得ようとする商法を意味する言葉もあります。
「炎上商法」の例
ブログやSNS、大手インターネット掲示板。これらに批判的なコメントが殺到し、ネットニュースにおいて大々的に取り上げられれば、正規の広告費をかけることなく宣伝することができます。
炎上商法の成功例
代表的な事例では、ルーマニアの国旗をモチーフにした「ROMチョコレート」が挙げられます。
「ROMチョコレート」は1989年以降、ルーマニア国旗をパッケージに用いてルーマニア国民から愛されてきました。ところが近年、若者たちはアメリカ製のスニッカーズなどのチョコを好んで食べる状況になっていました。
そこで「ROM」は一計を案じ、あえてパッケージデザインをルーマニア国旗からアメリカ国旗に変更したのです。これがルーマニア国民の反感を買い、思惑通りSNSなどで炎上する結果となりました。その後もとのパッケージに戻すと、従来の売り上げやfacebookのファンが急増したという話です。まさに炎上商法成功の好例ですね。
炎上商法の危険性
ビジネスの成功の基本は信頼関係の構築です。炎上マーケティングは、知名度と引き換えにたくさんの人を敵に回す危険性があります。
また、自分の知名度を上げることが収入にかかわってくる人物(芸能人・著名人)がソーシャルメディアでわざと炎上が起こるようにしむけ、マスコミから注目を集めようとするといった、売名目的の炎上もかえって評判を落とすことが多いです。
「炎上」が生まれた経緯
そもそも「炎上」という言葉が生まれたのは、ブログが普及し始めた2004年のころです。著名人が開設したブログに読者が簡単にコメントを書き込むことができ、書き込んだ当人以外もコメントを閲覧できるという環境が、「炎上」の成り立ちに一役買ったのではないでしょうか。
また単にコメントが殺到することを「炎上」と表現するケースも見受けられますが、肯定的な意見が殺到することは一般的には「バズる」といいます。
「炎上商法」に踊らされないために
「炎上商法」は非常に目を引くマーケティングですが、いくら騒がれているからといって、その話題に乗っかってしまっては相手の思うつぼです。くだらなければ見ないという意識をはっきり持つことが重要でしょう。特に人は学校や組織などの集団に属することで、安心を求める欲求や仲間はずれになりたくないという欲求があります。
炎上しているブログなどに、多くの人が攻撃に回るのは、攻撃側のグループの方にいれば安全だという守りの作用が無意識に働いている事もあります。だから何かのきっかけで、潮目が変わって擁護する人が多くなれば、今度はそちらのグループに瞬間的に移動する傾向もあります。
「炎上商法」はそういう人の自己防御的な側面をうまく利用しています。その炎上の本質をよく見極めて、踊らされていないか冷静に事実を見ることも大切です。