「アイソレーター」の意味
アイソレーター(isolator)は英語を元とする言葉です。「孤立させる」や「隔離する」という意味の動詞"isolate"に-orをつけて、人や物を表す名詞にしています。その意味は以下のとおり、大きく3つにわけられます。
- 振動・騒音の絶縁装置。特に、基礎構造物と建物の間に置かれるゴム・金属・ばねを組み合わせた隔離物などの耐震(免振)構造物を言う。
- 絶縁体。絶縁装置。断路器。
- 医療用で、閉鎖環境で、医薬品製造や細菌培養あるいは小動物等を育成するシステム。
「アイソレーター」の語源
"isolate" は「孤立させる。隔離する」という意味でしたが、語源はラテン語の「島(insula)」です。
アイソレーターの意味のところであげた免振装置や、医療用に使われるisolator(アイソレーター)は、周りから隔絶されたという意味では「島」と同じようなものなのです。ちなみに英語で「島」を意味する"island"も、同じ"insula"を語源としています。
「アイソレーター」の使い方
- このマンションの免振装置にはアイソレーターが使われている。
- 無菌アイソレーターを使って動物を飼育する。
- アイソレーターを使って入力信号と出力信号の間を絶縁する。
「アイソレーター」と日本語の意味が似た言葉
「アイソレーター」と直接意味が似た言葉は見当たりませんが、"isolate"を名詞化した"isolation(孤独)"の類語を挙げてみましょう。
ロンリネス
"loneliness"は「孤独、寂しさ、ひとりぼっち」という意味ですね。友人を作りたいがなかなかいない、恋人もいない場合などがロンリネスとなるでしょうか。
ソリチュード
"solitude"も「孤独、ひとりぼっち」という意味ですが、こちらの場合は、その寂しさを積極的に楽しむという意味が含まれています。孤独のグルメという番組がありますが、wikipediaでは「Solitary Gourmet」と訳されていました。(solitalyはsolitudeの形容詞型)
Solitudeと同じ語源を持つsoloはソロコンサート等に使われます。ソロコンサートに孤独という意味はありませんが、ひとりで演奏するという点は「ひとりぼっち」に通じますね。
アイソレーション
"isolation"は「孤立、隔離、孤独」という意味ですが、ネガティブな意味合いを含むということでは「ロンリネス」と近いものがあります。
ただしロンリネスよりもより強い意味合いを含んでいます。もともとの語源が「島」から来ているので、物理的に離れているということからでしょうか。
クリぼっち
三つの孤独という単語を、クリスマスひとりぼっちという意味の「クリぼっち」に当てはめてみましょう。孤独の意味合いがそれぞれ少しずつ違います。
- ロンリネス…恋人同士が楽しそうに歩くクリスマスの街角を、ポケットに手を入れ、肩をすぼめて、一人歩いている感じ。
- ソリチュード…むしろ一人を楽しむ、孤独のグルメ的なクリスマス。誰にも邪魔されず自分の好きなものを独り占めして楽しむ。
- アイソレーション…絶海の孤島の砂浜で、一人たき火を見ながらのクリスマス。
絶対ナル孤独者(アイソレータ)
「アイソレータ」を題名に持つ小説を紹介します。ソードアートオンラインの作者として有名な川原礫先生の執筆による『絶対ナル孤独者(電撃文庫)』です。「孤独者」と書いて「アイソレータ」と読みます。
『絶対ナル孤独者』は、何も寄せ付けず物理法則さえも無視する、全身を覆う透明な殻をまとう「絶対ナル孤独」という異能力を身につけた高校生の少年、空木(うつぎ)ミノルを描くSFライトノベルです。この小説を一読すると「アイソレーター」への理解が多少なりとも深まるのではないでしょうか。