「ネット弁慶」とは
「ネット弁慶」という言葉を知らないという方も、語感からなんとなく意味を察することができるのではないでしょうか。
簡単に言うと、「ネット弁慶」は「内弁慶」から派生したインターネットスラングです。
「ネット弁慶」の意味
「ネット弁慶」は「内弁慶」をモジる形で生まれました。「内」の代わりに「ネット」が使われていることからもわかる通り、ネット上でだけ威張ったり尊大に振る舞う人のことを指します。
「ネット弁慶」を正しく理解するために
「ネット弁慶」の意味を正しく理解するには、まず「弁慶」と、それから「内弁慶」について知っておく必要があるでしょう。なので下記にわかりやすくまとめました。
「弁慶」とは
「弁慶」とは、言わずと知れた「武蔵坊弁慶」のことです。おとぎ話にもなっているので、創作上の人物だと勘違いしている方もいらっしゃるかもしれませんが、「弁慶」は平安時代末期(1155年~1189年だと言われています)に実在した人物です。
牛若丸(源義経)とセットで語られることが多く、五条大橋での決闘はあまりにも有名です。
「弁慶」は母の胎内に一年半(三年という説もあります)いて、生まれた時には二、三歳児に匹敵する体格で髪が肩よりも長く、歯は生えそろっていたと言われています。そのせいで「鬼子」と見なされ、実の父に殺されそうになった過去を持ちます。
日本の歴史上の中でも屈指の強さを誇るとされ、現在でも「弁慶」の名は「強者」の代名詞として使われています。また「弁慶の泣き所」「弁慶の立ち往生」「内弁慶の外地蔵」など、多くの慣用句やことわざにも使われています。
「内弁慶」とは
「内弁慶」とは、外では意気地がないのに身内にだけは尊大に振る舞う人を指す言葉です。元は「内弁慶の外地蔵」という同じ意味を持つことわざでした。
ここで使われる「弁慶」は強者の例えで、「武蔵坊弁慶」本人を指しているわけではありません。「内弁慶」は否定的な意味を持ち、「弁慶」の名が使われているのは強烈な皮肉と言えるでしょう。
家族間で使われることが多いですが、友達グループや特定のコミュニティー内でのみ威張る人のことも「内弁慶」と呼びます。
「ネット弁慶」の危険性とまとめ
SNSや掲示板など、誰でも簡単にネットに書き込める時代です。そしてその多くが匿名であることから、知らず知らずのうちに「ネット弁慶」になっている人が多いと言われています。
例えば、芸能人が起こした不祥事に対してネット上で厳しく糾弾する人がいますが、それも「ネット弁慶」と言えるでしょう。「ネット弁慶」にならないためには、批判をネットに書き込む前に「もし相手が目の前にいたとしても、面と向かって同じことが言えるだろうか」と自問してみるといいでしょう。
また、匿名と言っても、ネット上は完全な匿名ではありません。2017年の7月には、野球選手の妻を「ブス」と貶す書き込みをネットの掲示板にしたことから、二百万円近い慰謝料を請求される裁判沙汰に発展しています。
またツイッターの書き込み一つから個人を特定されることも珍しくなく、中には日常生活に支障をきたすような騒動にまで発展した事例も存在します。
簡単に他人を叩けるということは、裏を返せば自分も叩かれる恐れがあるということです。余計なトラブルを避けるためにも、「ネット弁慶」にならない方が得策と言えるかもしれません。