「ハイライト」とは
「ハイライト」とは、英語のhighlight(=最も明るい部分)に由来する外来語です。たばこの銘柄のハイライトの綴りはhi-liteで、俗語では「もっと陽の当たる場所」を意味するのだそうですが、由来はやはりhighlightです。
「ハイライト」は使われるケースによって、多様な意味を持ちます。主なものは次の通りです。
- 見せ場としての「ハイライト」
- 絵画・写真の「ハイライト」
- メイクアップの「ハイライト」
- たばこの銘柄「ハイライト」
見せ場としての「ハイライト」
最も興味をそそる部分・場面を指します。ジャンルは特に限定されず、ニュース・TV番組・音楽・映画・スポーツ・ゲームなど、さまざまな分野の「ハイライト」があります。YouTubeでは、サッカーに代表されるような、世界的なスポーツに関するものが視聴回数上位にくるようです。
この意味での「ハイライト」は、日常会話の中では
- 大迫のゴールが、このゲームのハイライトだったね。
- 映画のハイライトを見た瞬間、絶対見なくちゃと思ったよ。
ちなみに英語では、highlightの対義語にlowlight(=最も興味を引かない部分)という言葉がありますが、日本ではあまり使われないようです。
絵画・写真の「ハイライト」
絵画・写真の画面の中の最も明るい部分を指します。絵画では主にデッサンにおいて、表現技法のひとつとして取り入れられます。写真では偶然の場合と、意識的に取り入れる場合の両方があります。
絵画では「光の魔術師」と呼ばれるオランダの画家・フェルメールが『真珠の首飾りの少女』の中で、巧みなハイライトを用いていることが知られています。
一方、デジタルカメラで撮影した写真では、ハイライト部分がしばしば白飛びしてしまう(一様に真っ白になる)ので、撮影時の露出補正や、あとからパソコンなどのソフトを使って補正を行います。
「漫画漫文」スタイルで名声を得た岡本一平(画家・岡本太郎の父)の漫画小説『へぼ胡瓜』(1921年)に
メイクアップの「ハイライト」
コントアーメイクというメイクの手法があります。顔を立体的に見せるためのメイク術で、シェーディング(影をつける)とハイライト(光を集める)の手法が駆使されます。
こうして陰影をつけることにより、彫りの深い顔立ちに見せることができ、小顔効果も期待できるといわれています。
たばこの銘柄「ハイライト」
1960年に発売されたたばこの銘柄が「ハイライト」です。日本経済が高度経済成長期に入り、一大飛躍を遂げるのと軌を一にして、日本のたばこ産業も大きく変革期を迎えました。そのきっかけとなったのが「ハイライト」の発売だとされています。
発売当時のポスターを見ると「ロングサイズ・フィルター付・20本入・70エン」のうたい文句が見て取れます。「ハイライト」の発売を機に、1960年のたばこの販売総数量は1000億本増加し、9割が両切りからフィルター付きたばこへと変わりました。「ハイライト」は1965年以降、10年間販売1位の座を占めたそうです。
ちなみに、現在まで踏襲されているパッケージのデザインは、イラストレーターとして知られる和田誠さんの手によるものだそうです。白とブルーのシンプルな配色は、のちに1964年に開業した東海道新幹線の車体の配色の参考となったという話も残っています。
実はほかにも…
実はほかにも「ハイライト」が意味するものはまだまだあって、
- 韓国の男性アイドルグループ「HIGHLIGHT」
- 文書中で目立つようにマークした部分
- 自動車のヘッドライトのハイビーム
- 印刷分野でのハイライト版