「野次馬」とは?
「野次馬」とは自分とは直接関係の無い事に興味を抱き、面白半分に騒ぎ立てたりする事や、事故や火事などの現場に物見高く集まる人などを指す言葉です。
「野次馬」の由来
「野次馬」は、年老いた馬を意味する「親父馬」という言葉が変遷したものです。歳をとった馬は役に立たず、若い馬のあとをただただついてくる事から転じて、他人の出来事で無責任に騒ぐ事、物見高く集まる人を指す言葉として使われるようになりました。
また「野次馬」は御しがたい馬、操ることが難しい馬「暴れ馬」そのものを意味する言葉でもありました。
「野次馬」の使い方
- 事故現場に大勢の野次馬が集まった。
- 野次馬のような行動はやめろ。
イギリスのことわざに「好奇心猫を殺す」というものがありますが、猫だけでなく我々人間も、好奇心を自制することが時には必要なのかもしれません。
「野次馬」の派生語
「野次馬」から派生し、現在でも頻繁に使われる言葉がいくつかあるので紹介します。
「野次馬根性」
「根性」とは「その人の本来持っている強い性質」のことですが、それに「野次馬」を加えた「野次馬根性」という言葉があります。例えば「野次馬根性丸出しで火災現場を見に行った」というように、その人を野次馬に駆り立てる、抑えきれない性質のことを「野次馬根性」といいます。
「野次馬」が行為そのものや、行為を行う人を指すのに対し、「野次馬根性」は野次馬を行う人の性質・気質を指しています。
「野次る」
「野次る」は「野次馬」を動詞にした言葉です。他人の言動に大きな声で非難やひやかしの言葉を浴びせるという意味があります。
「野次」は「野次馬」を略した言葉で、「野次」だけで相手を野次ることや、野次る言葉そのものという意味を持ちます。野次を浴びせることを「野次を飛ばす」とも言います。「エラーした選手を野次る」「演説者を多くの人が野次った」といった使い方ができます。
「野次馬」の類語
「野次馬」の類語について「野次馬」の含んでいる意味をそれぞれ分けて紹介します。「野次馬」と一緒に覚えて使い分けられると、表現が豊かになりますね。
「ものを見るために集まった人」の意味を持つ言葉
「野次馬」の持つ意味の一つである「見物のために集まった人」と同じ意味を持つ言葉には「見物客」、「観客」、「好奇の目」、「物見高い目」などがあります。
「見物客」や「観客」は人そのものを指しますが、「好奇の目」「物見高い目」は集まった人間の視線を指す言葉です。
「物事に直接関わっていない人」の意味を持つ言葉
「物事に直接関わっていない人」という意味を持つ言葉には「第三者」、「外野」、「無関係」といった言葉があります。
「自分には関係ないものを軽い気持ちで眺めること」の意味を持つ言葉
「自分には関係ないものを軽い気持ちで眺めること」を表す言葉には「第三者的な態度」、「高みの見物」、「傍観」、「対岸の火事」があります。
「野次馬」の英語表現
「野次馬」を英語で表現するには「野次馬」をどの意味で使いたいのか明確にしなければなりません。
- "a heckler"(野次る人の意味で使う場合)
- ”spectators”、”curiosity-seekers"、"onlookers"(見物人の意味で使う場合 )
- ”a rabble"、"a mob"、"onlooking crowd"(群集の意味で使う場合)
「野次」を英語で言うと?
野次を意味する英語は野次の方法や種類で分かれています。
- "jeers"(嘲笑の声や言葉)
- "boos"、"hoots"(不満や嫌悪を示す)
- "heckling"(演説での)
- "catcalls"(口笛や怒鳴り声)