「一心不乱」の意味
「いっしんふらん」と読みます。一心は「一つの心」、あるいは「一つのことに専念すること」。不乱は「乱れない」です。
このことから、「一心不乱」は、ある物事に、ひたすら、余念なく、ほかの事にはわき目も振らず没頭する、という意味になります。なお、「一心不乱」は漢字検定5級レベルです。
「一心不乱」の類義語
「一心不乱」に類似した四字熟語はたくさんあります。意味の最も近い順から挙げてみます。併せて二字熟語とカタカナ語も示しました。
- 一意専心(いちいせんしん)、一心一意、一心一計
- 無我夢中、我武者羅(がむしゃら) 一生懸命、一所懸命
- 精神一到、精励恪勤(せいれいかっきん)、無我無心、全身全霊、刻苦勉励
- 二字熟語では、熱心、夢中、没頭、専念、没入、傾注など
- コンセントレーション
「一心不乱」の由来
「一心不乱」は、仏教用語として使われたのが最初です。
阿弥陀経の「念仏を一心不乱に唱えよ、そうすれば、極楽浄土に往生できる」という趣旨の以下の文に由来しています。日本では、阿弥陀経は鳩摩羅什訳の「仏説阿弥陀経」を指します。短い経典ですが、浄土教の信徒にとって、大切な聖典の一つです。
「一心不乱」という曲名も
- 日本の2人組ロックユニットであるB'zに「一心不乱」という曲があります。
- 梅とらさんのボーカロイドの曲の一つ。「一心不乱」のほか、「威風堂々」、「虎視眈々」、「一騎当千」、「疑心暗鬼」、「狂喜乱舞」、「四面楚歌」など、四字熟語が曲名に多く使われています。
「一心不乱」の例文(日英対照)
英語では「一心不乱」の定訳はなく、それに近い意味をさまざまに言い表します。ここでは日英対照で、例文を示しました。表現の仕方の違いを比較してみましょう。
- 彼は一心不乱に勉強している。
He is working intently.(一心に、熱心に)
- 私たちは、テニスの試合を一心不乱に観戦した。
- 自分が好きなことに一心不乱になれるのは良いことだ。
- 彼女は一心不乱に新しいパソコンを組んでいます。
- 私は一心不乱に風景をスケッチした。
- 彼は一心不乱にテレビを見ていたので、彼女が部屋に入るのに気づかなかった。
まとめ
以上、「一心不乱」の意味と使い方のご紹介でした。寝食を忘れて、一心不乱に何かに取り組むのは簡単にできることではありませんが、そんな経験を多く持って意義ある生活を送ってみたいものですね。ただし、熱中のあまり、周りが全然見えなくなる場合もあるので注意が必要かもしれません。