「行雲流水」とは?読み方や意味をご紹介

「行雲流水」という言葉を聞いたことがありますか?漢字から連想すると、なんだか綺麗でさわやかな意味のように思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、現代を生きる多くの人に知ってほしい言葉の1つです。ここでは、「行雲流水」という言葉について解説いたします。

目次

  1. 「行雲流水」とは?
  2. 「禅語」とは?
  3. 「諸行無常」と「行雲流水」は親和性が高い
  4. 「行雲流水」の類義語
  5. 素直な気持ちで

「行雲流水」とは?

「行雲流水」は「こううんりゅうすい」と読みます。雲が行くように、水が流れるように、物事に執着せず、自然の成り行きに身を任せるさま味を表した四字熟語です

困難にぶつかったときに、あれこれ考えて立ち向かうのもいいですが、なるようになると考えて、あえてあがかないのも悪くないよということです。

言葉の起源

「行雲流水」という言葉の起源は11世紀までさかのぼります。中国は北宋の文人・蘇軾(そしょく)が著した「與謝民師推官書(謝民師推官に与うるの書)」にこの言葉が出てくるのです。詳しい説明は割愛しますが、「與謝民師推官書」は、文章の心得のようなものです。「行雲流水」のくだりは以下のような意味合いでした。

「行く雲のごとく流れる水のごとく、文章にもあらかじめ決まった形があるわけではない。自然に任せれば辿り着くべきところに辿り着き、止まるべきところで止まるのだ」

これを由来として、日本でも禅語として広く知られるようになりました。

「禅語」とは?

仏教にはいくつかの宗派があります。そのうち、修行として座禅を組む宗派を、禅宗といいます。「曹洞宗」や「臨済宗」などが該当します。禅宗には、言葉よりも実際に行動して悟りを体得しましょうという教えがあるそうです。座禅や托鉢も、その一環といえるでしょう。禅宗の教えを表した数々の言葉を「禅語」といい、そこには悟りを開いた先人たちの、ありがたいお言葉や知恵が記録されているそうです。

「諸行無常」と「行雲流水」は親和性が高い

仏教には「諸行無常」という言葉があります。この世のすべての物は絶えず外見や中身を変え、永遠に同じ姿形を保つことはできないという意味です。たとえば、茶碗にはいつかはヒビが入り、色褪せ、最後には粉々になってしまうように、同じ姿形を永遠に保つことはできません。人の心も同じく、今日の意思は明日には変わるかもしれないし、相手の気持ちも永遠につなぎ止めておくことはできません。

「行雲流水」もまた、そもそもは「雲や水のように万物は不定である」ことを表しています。人智ではどうすることもできないのが自然であり、世のなかだからこそ、ありのままに生きようという考え方は、「行雲流水」にも「諸行無常」にも通じているといえるでしょう。
 

「行雲流水」の類義語

ここでは、「行雲流水」の類義語をご紹介します。

「なるようになる」

「なるようになる」は、みなさんにも馴染みのある言葉かもしれません。いい意味で開き直って事に当たろうという意味です。発表や面接の前などに、「なるようになるさ」とリラックスして心を落ち着けることがあるでしょう。できれば逃げ出したい状況だけれど、どうしてもやらなければならないときに「なるようになる」は力を持つ言葉ではないでしょうか。

「一所不住」

「一所不住(いっしょふじゅう)」とは、読んで字のごとく、一か所にとどまらず、いろんなところを渡り歩くという意味です。こちらはあまり馴染みがない言葉かもしれません。「行雲流水」は物事に執着しないという言葉ですが、「一所不住」は、1つの住居に執着しないという意味で使わたりもします。

「明日は明日の風が吹く」

「明日は明日の風が吹く」とは、明日になればまた違う風が吹くように、今とは状況が変わっているかもしれないから、先のことは考えてもしょうがないよという意味です。「なるようになる」と同じく、困難が目の前にある状況で心を落ちつかせるときに使われる言葉です。

素直な気持ちで

つらいことや悲しいこと、嫌なことがあると、何とかしなければと思ってしまいがちです。「がんばれ」「逃げてはいけない」といった叱咤激励を受け、頭を抱えながら試行錯誤します。勇気を出して立ち向かったからこそ、困難を乗り越えた喜びも大きく、あのとき逃げなくてよかった思うこともあるでしょう。

気をつけたいのは、「行雲流水」は逃げろ、あきらめろといっているのではありません。「成果を出さなければ」「失敗してはいけない」といったプレッシャーに捉われず、自然体で仕事をこなせばいいという言葉です。別の四字熟語に置き換えるなら「虚心坦懐」、つまり、素直な心持ちで物事に臨むということです。

「行雲流水」の精神で、少しだけ肩の力を抜いてみてはいかがでしょうか。


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