「ネイティブ」って?
「native」の意味
まずは、英単語「native」の意味を整理してみます。「native」の語源はラテン語「生まれた(ままの)」のから出た言葉です。そこから派生して「native」(名詞)では、
1.…の生まれの人、(旅行客と区別して)土地の人
2.(非白人の未開の)原住民・土着民
3.…の土着の動植物
などの意味で使用されます。形容詞の場合、これに単語が重なると名詞の意味を基本にして意味が拡がっていきます。
「ネイティブ」の意味と使い方
カタカナ語としての「ネイティブ」の意味は、大別して4つあります。それぞれの意味を使用例とともにみていきましょう。
「ネイティブ」の意味その1(先住の・原産の)
まず「ネイティブ」は、「その土地の人、原住の人々」。また、形容詞的な使い方で「その土地生えぬきの」「原産の」「先住の」などの意味になります。一番の代表例が「ネイティブ・アメリカン」です。
なお、「ネイティブ・アメリカン」はインディアンとインディオともにインド人に由来しますが、日本語では、アメリカ本土の原住民族をインディアン、ラテンアメリカの原住民族をインディオと区別することが多いようです。
「ネイティブ」の意味その2(ある言語を母国語として話す人)
「ネイティブ・スピーカー」の略として「ネイティブ」と使用されることも良くあります。ネイティブ・スピーカーは「ある言語を母国語として話す人」という意味の言葉です。
例えば、「ネイティブ・イングリッシュ」とは、母国語が英語の人が話す英語のことです。ネイティブが普通に話すような、明らかに発音記号とは違った流暢な英語のことも指しています。
一例として、オーストラリア人の一部の人は「It’s Sunday today.」を「イッツ サンダイ ツゥダイ」と発音しますが、これも立派な「ネイティブ・イングリッシュ」です。また、アメリカの田舎で標準語を話すと、「何だよ!格好つけやがって!」と言われることもあるようです。
最近では、様々な会社がオンライン英会話を運営しておりますが、その多くがイギリス人、アメリカ人、フィリピン人などの「ネイティブ」講師を採用しています。
「ネイティブ」の意味その3(天然の・自然の)
三つ目が「天然の」「自然の」 という意味で「ネイティブ」です。この意味は形容詞として他の言葉にくっつけて用いられます。例えば、「ネイティブ・プロテイン」(native protein)は「天然タンパク」という意味です。また、観光リゾートエリアで、「ネイティブ・シー」という言葉も見かけます。「天然の」や「自然の」という意味で、そのキャチフレーズが「手つかずの自然が残る透明度抜群のビーチ」とうたわれています。
「ネイティブ」の意味その4(実行可能な【IT関連】)
最後に、コンピュータ関連では(主にソフトウェアにおいて)「ネイティブ」は「自ら実行可能」という意味で使われています。
例えば、「ネイティブ・アプリケーション」は基本的にインターネットが繋がっていなくとも使用できます。パソコンやスマートフォンの端末に組み込まれているマイクロプロセッサーで、直接に実行可能なプログラムで構成されたアプリケーションソフトのことを指します。一度ダウンロードしてしまえば通信量を圧迫することなく利用できるゲームアプリは、これに当たります。
「ネイティブ」の反対語
反対語「ノンネイティブ」は、他の世界の一部から生まれた植物または動物の、現地生まれでない、先住民族でない、(話者が)母語としないなどの意味があります。今後、日本で何か話題に上れば「ノンネイティブ」という言葉が使われるかもしれません。
デジタルネイティブとは
「デジタルネイティブ」とは、インターネットなどの技術が進み、生まれた時からPCや携帯電話があり、それらに親しみながら育った世代のことをいいます。前の世代と異なり、経済・社会面に変革、変化をもたらすとも言われています。