「ゲロイン」とは?
「ゲロイン」とは、漫画やアニメ、ゲームにおいて、作中で嘔吐する描写のある女性のことです。「ゲロ」と「ヒロイン」が合体した言葉です。いくら漫画やアニメといっても、直接的な嘔吐の描写は敬遠されることが多いため、モザイクを入れたり、きらきらと輝かせたり、音のみだったり、間接的に描写することがほとんどです。
「ゲロイン」たち
「ゲロイン」にはどのようなキャラクターがいるのか、いくつかご紹介します。
『エヴァンゲリオン』伊吹マヤ
1990年代にブームとなったアニメ、『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する伊吹マヤという女性がいます。正式なヒロインではなく、サブキャラクターという位置づけですが、彼女にも嘔吐シーンがあります。TVアニメ版の後半、第14使徒のゼルエル戦で、主人公の乗った初号機が暴走し、敵であるゼルエルを食べてしまいます。それを見た伊吹マヤが、口を手で押さえて嘔吐するシーンがあります。
『僕のヒーローアカデミア』麗日お茶子
アニメや映画化もされている人気漫画、『僕のヒーローアカデミア』に登場する麗日お茶子(うららかおちゃこ)も「ゲロイン」です。この漫画は、個性と呼ばれる特殊能力を持った若者たちが、養成学校でヒーローを目指すという物語です。麗日お茶子もその一人ですが、彼女の能力は重力を操るものであり、この能力を使うと、気分が悪くなり嘔吐してしまうのです。
『銀魂』神楽
アニメや実写映画化もされた人気漫画、『銀魂』に登場する神楽という女性がいます。彼女は、連載されている少年ジャンプにおいて、嘔吐シーンが描かれた初のヒロインと言われています。男女問わず人気が高く、ヒロインでありながら、サバサバした性格で、面白くて、嘔吐までしてしまう、ある意味で女性らしくないところが魅力となっているようです。
「ゲロイン」の使い方
「ゲロイン」という言葉は、ネット上で主に使用されます。掲示板やSNSなどで、「アニメのゲロインといえば誰?」「一番有名なゲロイン」「ゲロインじゃなかったら人気出なかっただろう」と言われることがあります。また、正式なヒロインではなく、作中に登場する女性が嘔吐したときにも、「ゲロイン」が使われることがあります。
嘔吐の理由
現実では嘔吐の理由として、頭痛、腹痛、乗り物酔い、つわり、風邪などがありますが、漫画やアニメではこれに加えて、戦闘で殴られる、不快な感情になるというのがあります。特にバトル漫画では、人が大量に亡くなったり、残酷な描写がされたりします。現実にそのような事が起こったらしょっちゅう嘔吐してしまいそうですが、これらによる嘔吐は二次元ならではでしょう。
嘔吐はつらい
嘔吐はつらいものです。吐く前も後も不快で、できるならば吐きたくありません。学生時代には遠足のバスの中や教室で大勢の前で吐いてしまい、トラウマになってしまった人もいるようです。また、女性はつわりの苦しさから、ご飯の匂いを嗅いだだけで寝込んでしまうこともあるようです。
吐くときの音、映像、周囲の状況、臭いといった様々な要素がインパクトを与えるのでしょう。「嘔吐恐怖症」と呼ばれる症状も存在するくらいですから、嘔吐独特の不快感は、みなさんもよくご存じでしょう。
「ゲロイン」の魅力
一部からは、ヒロインが嘔吐するシーンのある漫画やアニメは面白いと言われています。一般的にヒロインというと、おしとやかで美しい、あるいは可愛らしい女性像をイメージする人もいるでしょう。特に少年漫画では、男性ウケするような理想の女性像が作中に盛り込まれているかもしれません。それぞれのヒロインに個性はありますが、少年漫画に限らず、ヒロインの傾向は似てくるとも考えられます。
「ゲロイン」は、今までのヒロイン像とは反対のヒロインといえるでしょう。女性らしさはそのままに、あえて美しくないことも描写することでギャップの魅力が生じます。大人しく清楚なだけじゃない、時には周囲に遠慮しない人間味あふれる豪快さが、多くの人を惹きつけるのでしょう。