「アグリ―」の意味
上記の通り、カタカナで「アグリー」と表記した場合、「ugly(醜い)」を意味する場合と、「agree(同意する)」を意味する場合があります。
なお似た言葉に「アグリ」がありますが、英単語”agriculture”の一部「agri」のことで、「農業の」という意味の形容詞です。たとえば「アグリビジネス」というと農業関連のビジネスのことを指します。混同しないように気をつけましょう。
「醜い」という意味のアグリー
「アグリー・○○」というように、後ろに名詞を伴う「アグリー」は英語の「ugly」のことで、「醜い」という意味の形容詞です。
流行する「アグリー・ファッション」
2017年頃から、アメリカの若い女性の間で「アグリー・ファッション」と呼ばれるスタイルが流行し始めました。そのまま訳せば「不格好なファッション」ということで、あえて流行に逆らった、「ダサい」とされるデザインのアイテム(主に鞄や靴)を取り入れたファッションのことを指しています。
例えば、グッチが2017年に発表したベルトバッグは、90年代に流行したウェストポーチと似たようなデザインで、公式サイトのモデルはこれをワンピースの上から腹部にぴったりと巻きつけています。時代の流行と逆行するデザインといえますが、発売されるや否や大人気となり、すぐに完売となりました。
「アグリー・ファッション」の最も代表的なアイテムは靴です。大ぶりでゴツゴツしたデザインの運動靴や、奇抜でけばけばしいデザインのサンダルが「アグリーシューズ」と呼ばれ、若い女性の間で流行しています。初めはアメリカでの流行でしたが、2018年頃から韓国でも流行し、日本の女性の間でも注目されるようになりました。
デザインが大ぶりだったり奇抜で目立つため、「インスタ映え」するのに加え、ハイヒールなどに比べて足に優しい設計であることが支持される理由のようです。
クリスマスに着る「アグリー・セーター」
欧米ではクリスマスのパーティーににわざと悪趣味なセーターを着ていく人々がいます。これは「アグリー・クリスマス・セーター」と呼ばれるもので、「アグリー・ファッション」とは違い、ジョークグッズ的な色合いの強いものです。
欧米人の間の「あるある」エピソードとして、「幼少期のクリスマス・パーティーで祖母が編んだダサいセーターを着させられ、嫌な思いをした」というものがあります。このようなダサいクリスマス・セーターをジョークグッズとして逆に楽しむという遊びが1990年代頃に生まれ、現在まで続いているのです。
この遊びはセレブたちの間にも根付いており、クリスマスになると様々な有名人が「アグリー・セーター」を着てパーティーに現れたり、SNSに自撮りをアップしたりしています。
海外ドラマ「アグリー・ベティ」
アメリカのABCが制作した「アグリー・ベティ」というテレビシリーズがあります。タイトルの通り、さえない容姿をしたベティという女性がファッション業界に入り、持ち前の機転を活かして様々な難題を切り抜けていくという物語です。非常に人気のあるシリーズで、第4シーズンまで制作され、アメリカでは2006年から2010年にかけて放映されました。
「賛成する」という意味のアグリー
冒頭でも触れたとおり、英語の「agree(同意する、賛成する)」から来た表現で「賛成する」ということを「アグリーする」と表現することもできます。
しかし、日本語で「賛成です」と述べるのとニュアンスの違いはありませんので、ビジネスの場などでこの表現を使うメリットはあまり無いかもしれません。とはいえ、仕事相手が「その意見、僕はアグリーです」などと言ってきたときに戸惑わなくてすむように、意味だけは覚えておくといいでしょう。