「大団円」とは？意味や使い方をご紹介

「大団円（だいだんえん）」とは、演劇や小説などの終わり方で、最後にすべてめでたく収まることを言います。小説や劇などの結末や終わりそのもののことを指すこともありますが、めでたく終わる結末について言うことが普通です。

「大団円」という言葉は、演劇などの終わり方に使われることが一般的ですが、比喩として日常の生活の様子を表すときに使われることもあります。

また、「大団円」は物事が終わったことを指す言葉です。まだ続きがあるときには使いません。

• 悲劇的なお芝居ももちろん見ごたえがあるが、とにかくハッピーに大団円を迎えるお芝居を見て気分をあげていきたいときもあるものだ。
• 主人公二人の気持ちがすれ違い、どうなることかとハラハラさせられた連続恋愛ドラマだったが、見事に最終回で大団円を迎えた。
• 父の病気をきっかけに我が家にはいろいろなトラブルが降りかかってきたが、家族みんなで協力して結果的には大団円となった。

「大団円」の「団円」は、丸い円のことを言います。転じて「団円」は、「完全に終わること」や「欠けるところがなく円満に収まること」を指すようになりました。ここから、「大団円」が、演劇などで最後にすべてめでたく円満に収まる様子を指すようになりました。

「団円」は中国でもよく使われる言葉で、春節の前の夜に家族みんなでとる食事のことを「団円飯」と言います。また、中秋節のことを「団円節」とも言います。

インターネットなどで、「大団円」ならぬ「大円団」という言葉を見かけることがあります。ですが、「大団円」は「団円」が元の言葉なので、「大円団」としてしまうのは誤りです。

インターネットでは、わざとおもしろがって「大円団」という言葉を使っている場合もあるので、惑わされないようにしたほうがいいでしょう。

「大団円」の類義語には、次のような言葉があります。

• ハッピーエンド：幸せな結末のこと。和製英語。英語では「happy ending」となる。
• 終幕：演劇で、物語が終わりを迎える幕。演劇や映画などが終わりを迎えること。
• 終局：物事が終わること。物事に結末がつくこと。
• 大切り：物事の終わりのこと。寄席の最後の出し物のことも指し、この場合は「大喜利」とも書かれる。
• 大詰め：物事が終わりを迎える段階にあること。お芝居の最後の幕。
• フィナーレ：交響曲、オペラ、演劇などの最後の幕のこと。物事の締めくくりに当たる部分のこと。
• エピローグ：劇や小説、詩などの終わりの部分のこと。

• バッドエンド：不幸な結末のこと。和製英語。英語では「bad ending」または「unhappy ending」となる。
• 破局：悲劇的に終わりを迎えてしまうこと。物事が行き詰まって、関係が壊れてしまうこと。
• 悲劇：不幸な結末に終わる物語のこと。

• 開幕：お芝居などを開演すること。舞台の幕が上がること。
• プロローグ：小説や演劇などで、本筋に入る前に展開される導入部分のこと。
• オープニング：物語の始まりの部分のこと。

「大団円」を英語で表現したものに、次のような言葉があります。

• denouement：劇などの大団円のこと。また、事件などの解決、大詰めや終局のこと。フランス語の「結び目をほどく」に由来する言葉。
• finale：音楽の終楽章や最後の演奏曲目のこと。また、演劇などのフィナーレ、大団円のこと。イタリア語の音楽用語に由来する。
• grand finale：オペラ・ショーなどの大詰め、大団円のこと。音楽の最終章のこと。
• fairy-tale ending：おとぎ話（fairy tale）のような幸せな結末のこと。大団円。