「浅薄」とは?
「浅薄」(せんぱく)とは、「学問や思慮が足りず浅はかなこと」を言います。物理的スケールではなく、人間の「考え」や「態度」などについて言及する言葉です。
「浅い」や「薄い」といった言葉は、物事の程度が軽い・弱いことや、求められる技量や態度が十分ではなく乏しいことを表す尺度として、日常の語彙にも登場しますね。この二つの言葉を熟語的につなげたものが「浅薄」です。
「浅薄」の使い方
「浅薄」は、相手の学識のなさだけではなく、考えの愚かさを指摘するために使われることが多いため、失礼になりすぎないように注意しましょう。
自分の浅はかさをへりくだる表現として使うことはできますが、使用には少々注意が必要です。
なぜなら、物事の「深さ」「濃さ」を知っていればこそ、相対的に「浅い」「薄い」という表現が使えるわけですから、物事の「深さ」を知らぬまま自己を「浅薄」と称することこそ浅薄の極みです。客観的に物事が見えていないのであれば、無暗に使用しないほうがよいでしょう。
例文
- 大学教授と議論すると、自分の知識がいかに浅薄で頼りないものであったかを思い知らされる。
- ただ解答を暗記するだけの浅薄な理解では、応用問題を解けないし、物事の原理を理解したことにはならない。
- 彼は人との約束も守らず、計画も作らず、ただその場の衝動によってのみ生きる浅薄な人間だと見做されていた。
- 彼の主義思想は浅薄で、理想を追いすぎて現実に接地していない。
「浅薄」の類語
「浅薄」の類語としては、以下のような言葉が該当します。
- 浅学(せんがく)
- 無学
- 疎い(うとい)
- 寡聞(かぶん)
- 付け焼き刃
他に、「(学問や知識に関わらず、)考えが愚かしい」という意味合いであれば、以下のような言葉も類語として該当します。
- 短慮
- 暗愚(あんぐ)
- 愚昧(ぐまい)
- 馬鹿
- 軽薄
「浅薄」の反対語
「浅薄」を「浅い」「薄い」と分解し、その字から考えると、直接的な反対語は「深い」「濃い」ですが、「深濃」(しんのう)という熟語はありません。「深奥」(しんおう)や「奥深い」などが、「浅薄」の字から考えた反対語といえるでしょう。
他にも、以下のような言葉が反対語たりえます。
- 深遠(しんえん)
- 深長(しんちょう)
- 幽遠(ゆうえん)
- 深い
- 賢明
- 明晰(めいせき)
- 英明(えいめい)
「浅薄」を英語で言うと
「浅薄」を英語で言いたい場合は、以下のような単語が適します。
- shallow(浅い)
- superficiality(表面的なこと、皮相)
- frivolity(〔けなして〕軽率)
- thin(〔話の内容などが〕薄い)
「shallow」は、最も基本的な「浅さ」ですが、「川の浅さ」など物理的スケールにも使用できますのでご注意ください。「superficiality」は、物事や人の態度などが「表面的なこと」を言います。
「frivolty」や「thin」は、原則として「君の知識・考えは浅いな」と言うようなけなし言葉として使用されます。
例文
- It's better to know nothing than to have shallow knowledge.(浅薄な知識を持つくらいなら、何も知らないほうがマシだ)
- He gives only superficial opinions.(彼は軽薄な〔表面的な〕意見しか言わない)
- His frivolous attitude is intolerable.(彼の軽薄な態度は耐え難い)
- Don't make the thin excuse!(浅薄な〔浅い〕言い訳をするな!)