「勤しむ」の意味
「勤しむ」(いそ-しむ)とは、「つとめはげむ」(努め励む)という意味の言葉です。これとは別に「勤勉であるとして、賞する」という意味もあるのですが、現代ではほとんど使われていません。
「勤」の字は、「力」と「ひきしめる」意により、「心をひきしめて精を出す」という意味で使われます。「勤勉」(きんべん)や「皆勤」(かいきん)と言った熟語を思い浮かべれば、「勤しむ」の意味も取りやすくなるかもしれません。
「勤しむ」の使い方
「勤しむ」は、何らかの行為や物事を指し、「それを集中してやっている」「そればかり専門的に取り組んでいる」という様子を表して使います。
「どの程度、集中していれば勤しむと言えるか」といった基準を持ち込む必要はなく、単に「他のことではなく、今はそれをやっている」という軽いニュアンスで使える点がポイントです。(もちろん、「最大限の努力」にも使えます)
使用対象も選ばず、課された仕事から個人的な趣味まで、義務的行為も自発的行為も含めて幅広く使用可能です。
例文
- 教室を覗くと、学生らが無言で勉学に勤しんでいるのが見て取れた。
- 彼はこのところ、お気に入りのアイドルのグッズ集めに勤しんでいるらしい。
- 夕方その場所を通ると、ランニングに勤しむ人々の姿を多く見かける。
「勤しむ」の類語表現
「勤しむ」の類語としては、その意味の中にも含まれている「努める」や「励む」がもっとも一般的で、また使いやすいでしょう。そのほかにどんな言葉があるか、以下に2つ挙げます。
精励する
「精励」(せいれい)とは、「つとめはげむこと、力を尽くしてつとめること」という意味の言葉です。「精励恪勤」(せいれいかっきん)という熟語の形で使われることもあります。
【例文】:試験に合格するため、彼は夜を徹して勉学に精励した。
自彊する
「自彊」(じきょう)とは、「みずからつとめてはげむこと」という意味の言葉です。「彊」は見慣れない字ですが、「つとめる」という意味を持っています。
【例文】:彼は、いついかなる時も自彊の心を忘れなかった。