「ご時勢」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは「ご時勢」という言葉をきいたことがありますか。「時勢」は、「時代の移り変わり」を意味する言葉ですが、同じ発音の「時世」という言葉もあります。この2つの違いを知らない人もいるかもしれません。この記事では「ご時勢」の意味や使い方を紹介します。

目次

  1. 「ご時勢」の意味
  2. 「ご時勢」の使い方と例文
  3. 「ご時勢」と「ご時世」の違い
  4. 「ご時勢」の類語

「ご時勢」の意味

「ご時勢(ごじせい)」は、「時勢」という言葉に丁寧語の「ご」が付いた表現です。「時勢」の意味は「時代の移り変わる勢い。世のなりゆき。時代の趨勢(すうせい)」です。「時代」そのものを指すのではなく「時代の流れ」を意味しています。

さまざまなものが「時代の流れ」によって絶えず変化し続けていますが、その変化にはそれぞれの時代における傾向や特色が存在しています。「時勢」は、世の中の動きや傾向を指す言葉です。

「ご時勢」の使い方と例文

「ご時勢」は一般的には「時勢」のみで使われることが多い表現です。後述しますが「ご時勢」は、同音異義語の「ご時世」と混同して用いられていると考えられます。

「時代の流れ・傾向」などを意味するため、文章中では「時勢に逆らって」や「時勢に応じて」のような使い方が多く見られます。時代の流れに合っているかどうかや、時代の傾向を読むといったときによく用いられるようです。

例文

  • 時勢に合わず、淘汰されていく職業が今後増えていくという。
  • 時勢に応じて変化していくことができなくては、今後のビジネス拡大は難しいだろう。
  • 祖父は時勢に逆らうかの如く、今でもかたくなに電子機器の利用を拒む。

「ご時勢」と「ご時世」の違い

「時勢」の同音異義語に「時世」という言葉があります。「ご」をつけた「ご時世」という表現をよく耳にします。「こんなご時世だから」のような、お決まりのフレーズもありますね。

「時世」は「時代。世の中」という意味です。「ご時世」という場合は、「今の世の中」を指すことが多いようです。

「ご時世」は「世知辛いご時世」のように、「今の時代は良くない」という、マイナスの意味で使われることが多くなっています。しかし「良いご時世だ」という使い方が間違っているというわけではありません。

【ご時世を使った例文】

  • こんなご時世に業績の上がっている会社があるなんて信じられない。
  • 他人に無関心な若者が増えたというが、困ったときに助けてくれたのは見ず知らずの若者達だった。このご時世も捨てたものではないと思わされた。
  • こういったご時世だから、詐欺の電話などには充分に注意した方がよさそうだ。

「ご時勢」の類語

「時流」

「時流(じりゅう)」の意味は「その時代の社会一般の傾向」です。「時流に乗る」や「時流に沿って」のように使われます。どちらも「その時代の傾向に合うような行動を取る」ことを意味しています。

また「時流に抗う」という言い回しで、「時代に反する」を意味することもあります。

【例文】

  • ファストファッションのブランドは、時流に乗って世界中に支店を展開している。
  • 時流に抗っても表現したいものを残そうとする芸術に、真の価値があるのではないか。

「風潮」

風潮(ふうちょう)」の意味は「時代の移り変わりによって生じる世の中の傾向」です。漢字の成り立ちからも想像できるように「風によって変わる潮の流れ」が元になっています。

「風潮」は「風潮がある」や「風潮が高まる」のように使われます。「風潮が高まる」とは「世の中での傾向が強くなる」という意味で、物の見方や考え方が一方に傾いた状態を指します。

 
【例文】
  • 自分の正義に照らして人を判断するという風潮があるようだが、これはいささか危険なのではないか。
  • 近年ではA国を筆頭に、世界中で保護主義的風潮が高まっているといえよう。
     


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