「アンビリーバボー」の意味
「アンビリーバボー」とは、英単語「unbelievable」をカタカナ表記したもので、「信じられない、信じがたい」という意味の言葉です。
品詞としては形容詞にあたりますが、「信じられない!」「そんなまさか!」という気持ちを表す感嘆表現に似た側面も持っています。
原語とカタカナ転写について
原語「unbelievable」は、「un-(否定)」「believe(信じる)」「-able(~できる)」と分解できます。簡単な構造ですので意味を覚えやすいのではないでしょうか。
通常「~able」で終わる単語は「approvable:アプローバブル」のように「~(ア)ブル」とカタカナ転写されるのが一般的です。その中で、「unbelievable」はなぜか「~(ア)ボー」と転写される珍しい例です。
これは、後に紹介するテレビ番組『奇跡体験!アンビリバボー』の影響によるものと考えられています。
「アンビリーバボー」の使い方
「アンビリーバボー」はにわかに信じがたい非現実的な事象に出くわした際などに、「とても信じられない」という感嘆をこめて使いましょう。「驚き」の感情がこもることもしばしばです。
「信じがたい」と言われるような事象には、「奇跡」と呼ばれるような好意的な種類のものもあれば、「突飛だ、妄想だ、ありえない」と言いたくなるような否定的価値観に基づくという種類のものもありますが、「アンビリーバボー」はどちらの場合でも問題なく使用可能です。
なお、途中の長音記号を省いて「アンビリバボー」と表記・発音されることもあります。
例文
- 名もなき老婆が作り上げた刺繍作品を目にした専門家は、「アンビリーバボー…本当にすべて手作業なのかい」とつぶやいた。
- 先週、酔って帰宅する最中にしゃべる猫に道案内されるというアンビリーバボーな体験をしたのだが、誰も信じてくれない。
- あの映画では、主人公がすべての銃弾を身体さばきだけでかわしきるシーンがあったけど、あれはいくらなんでもアンビリーバボー…ありえないよ。
「アンビリーバボー」の類語
アメージング
「アメージング」(amazing,アメイジングとも)とは、「驚くほどの、あきれるばかりの、目覚ましい」という意味の言葉です。
悪い意味で使われることほとんどなく、基本的には「(驚くほど)すばらしい」というニュアンスで用いられます。特に、創作物を褒める場合においては最上級といってよい表現です。
日本語の中でも一定の定着が見られますので、良い意味における「アンビリーバボー」の類語として使用してよいでしょう。
【例文】
- 始めてできた彼女と、アメージングなひと時を過ごした。
- 彼はその映画について「とてもアメージングだった。見て後悔はしないだろう」と評した。
ファンタスティック
「ファンタスティック」(fantsastic)は、「空想的な、ばかげた」や「風変りな、異様な」などの意味を持つ言葉ですが、空想も極まれば意外な傑作を生みだすことがありますから、「すばらしい」「すてきな」という意味でも使われます。
「アンビリーバボー」同様、良くも悪くも「信じられない」といえるものに使うことができるでしょう。
【例文】
- もし魔法が使えたらなんて、何をファンタスティックなことを言っているんだ?
- その小説は、ファンタスティックな興奮を私にもたらしてくれた。
テレビ番組『奇跡体験!アンビリバボー』について
『奇跡体験!アンビリバボー』とは、フジテレビ系列で1997年に放送が始まったドキュメンタリー調のバラエティー番組です(2020年現在も放送中)。
世界で起こった(多くは特殊性のある)事故・事件などをドキュメンタリー調のVTRで再現するという趣旨の番組であり、番組名の通り「奇跡的」で「アンビリバボー(信じられない)」な演出に主眼を置いた雰囲気は高い人気を得ました。
「unbelievable」が「アンビリーバブル」ではなく「アンビリ(ー)バボー」という表記で日本文化に定着しているのは、恐らくこの番組が由来なのではないかと推察されます。