「咲き誇る」の意味
「咲き誇る」には、花が誇らしげに咲く・今を盛りと美しく咲くという意味があります。「咲き誇る」というと、たくさんの花がいっせいに鮮やかに咲いているイメージを抱くかもしれませんが、見事に咲いている花であれば、一輪だけであっても「咲き誇る」と言います。
「咲き誇る」の使い方
「咲き誇る」は、花が勢いよく生命力に満ちた様子で咲いているさまを表すのに使います。花の種類や数にかかわらず用いることができる表現です。
例文
- 近所の公園にある桜が咲き誇るのを見るたびに、春の訪れを感じる。
- ここ数年、元気がなく花もあまり咲くことのなかった庭のバラが、今年は咲き誇っている。
- 花々が咲き誇るのを見ると、私はいつも明るく嬉しい気持ちになる。
「咲き誇る」の類語
花が美しく咲いている様子を表す言葉は、「咲き誇る」の他にもいろいろとあります。これらの類語を使うことで、花がどのように咲いているのかをより具体的に伝えられる場合もあります。
咲き揃う
「咲き揃う(さきそろう)」には、花がいっせいに咲く・全部咲くという意味があります。たくさんの花や多くの種類の花が咲くタイミングが重なることを表す際に用いる言葉です。
【例文】
- 庭の花壇の花々が咲き揃ったので、スケッチをすることにした。
- 公園のチューリップが咲き揃うのを見て、チューリップ好きの母は少女のように目を輝かせていた。
咲き乱れる
「咲き乱れる(さきみだれる)」は、たくさんの花が一面に美しく咲く・多くの花が秩序なく混ざり合って咲くという意味です。一種類の花であっても、たくさんの花が咲いている場合であれば、「咲き乱れる」と表現することができます。
【例文】
- 近所にある大きな公園では、毎年この時期になるとパンジーが咲き乱れる様子を見ることができる。
- 都会育ちの私の子どもたちは、花が咲き乱れる風景を見る機会がなかなか無い。
咲き溢れる
「咲き溢れる(さきこぼれる)」は、茎や枝からあふれるように、たくさんの花が咲くことを表します。「咲き零れる」と書くこともできます。「咲き溢れる」は、先述した「咲き乱れる」という表現に言い換えることも可能です。
【例文】
- 雨の中で咲き溢れるあじさいの美しさに、思わず目を奪われた。
- 藤の花が咲き溢れる様子があまりに見事で、しばらく口を開けたまま見上げていた。
「花が咲くこと」を表す他の表現
「花が咲く」と一言で言っても、花が開き始めたばかりのときもあれば満開のときもあり、花が咲いている様子はさまざまです。「咲き誇る」は満開の状態を表す言葉と言えるでしょう。
ここでは、花が咲くときのさまざまな様子を表す言葉について見てみましょう。
笑む
「笑む(えむ)」は、つぼみがほころびて花が開き始めることを意味します。花が開くことを擬人的に表した言葉です。また、花が少し開くことを「微笑む(ほほえむ)」や「頬笑む(ほおえむ)」とも言います。
【例文】
- 桜の花が笑む頃になると、気候が暖かくなってきて何となく気持ちも明るくなってくる。
- 花が笑む様子は、希望に満ちた瞬間であるように感じる。
返り咲き
「返り咲き(かえりざき)」とは、その花が咲くべき時期を過ぎてからもう一度咲くことです。特に、春に咲いた花が、秋や初冬の小春日和のときに再び咲くことを指します。「狂い咲き(くるいざき)」や「二度咲き(にどざき)」とも言います。
また、一度はある地位から退いたものが再びもとの地位に戻ることも「返り咲き」と表現します。
【例文】
- 返り咲きの場合には、花は少ししか咲かないので、咲いてしまった花が寂しそうにも見える。
- 季節どおりに咲いた花と返り咲きの花が一緒に咲いている光景は、本来はともに咲いていることのない花たちの共演とも言えるだろう。
- 元名人が苦戦しながらも4勝3敗で勝ち、再び、名人位に返り咲いた。
咲き残る
「咲き残る(さきのこる)」には、他の花が散ってしまった後も散らずに咲いているという意味と、他の花が咲いていてもまだ咲くことなく遅れて咲くという意味があります。「咲残る」とも書きます。
【例文】
- 寒空の下、庭で咲き残るサザンカが寂しそうでありながら気高くも見える。
- 咲き残る花を見つけると、いつ咲くだろうと気になって仕方がない。
咲き分け
「咲き分け(さきわけ)」とは、一本の草木に色が違う花が咲くこと、またその草木のことです。同じ株から赤と白の花が咲いている場合や単色の花と模様のようなものが入っている花が咲いている場合などに使います。
【例文】
- 咲き分けの花を見ると、自然の不思議さを感じて好奇心が湧いてくる。
- 咲き分けの梅を庭に植えたのだが、何も知らない家族は、一本の木から違う色の花が咲いているのを見て驚いていた。