「恨めしい」とは?
「恨めしい」(うらめしい)とは、動詞「恨む」の形容詞形であり、「何かを恨む気持ち」「恨みがわだかまっていて、それに耐えたり、晴らしたいと思う気持ち」「残念で情けないさま」を意味する言葉です。「怨めしい」とも書きます。
「恨む」(怨む)とは、「不当な仕打ちを受けて不快・不満である、悔しく思う」といった意味ですから、その有様や心理状態を言い表したものが「恨めしい」であると理解しましょう。
なお、「うらむ」は「憾む」とも書くのですが、「うらめしい」を「憾めしい」とは書きません。「憾」の字は「遺憾」などに見られるように「残念」という意味に焦点が当たっており、不快・不満など嫌悪感のニュアンスがやや薄いためです。
「恨めしい」の使い方・例文
「恨めしい」には、大きく分けて二つの使い方があります。
- 不当な扱いを受けたり、理不尽な目に遭うなど、自分が原因ではない状況や人間が「恨めしい」
- 自分の能力の及ばなさや予期せぬ失敗などによって、自分自身が「恨めしい」
1の使い方は「嫌いで遠ざけたい(嫌悪感)」「思い通りにならず不満・不快」「悔しく、残念で、心に残ってしまう」などの意味合いです。
それに対して2の使い方は、自分自身を遠ざけることはできないため、「思い通りにならず(自分自身が)不満・不快」「悔しく、残念で、心に残ってしまう」というニュアンスでの使用が主です。
例文
- ジョニーは、自分と同じような境遇に生まれながらも、チャンスや運に恵まれ、社会的にも大成功を収めているエリーのことを恨めしく思っていた。
- せっかくの花見びよりで、みんな盛り上がっていたところなのに、突然降り出した雨が恨めしい。
- 信用していた人物に裏切られ、何もかも失ってしまった。彼は人を見る目がない自分が恨めしかった。
「恨めしい」の類語
「恨めしい」は、簡単に言えば「嫌悪感」並びに「残念」という気持ちです。それぞれの言葉に沿った類語をいくつか挙げてみましょう。
嫌悪感
- 厭(いと)わしい…いやで、避けたいことである。
- 疎(うと)ましい…遠ざけたい、いやらしい。
- 呪わしい…のろいたい気持ちである。
- 忌(い)まわしい…不吉である、いやだ。
- 憎らしい・憎たらしい…憎く思われる、気に入らない、可愛げがない。
基本的にはどれも自分以外に対して使う言葉ですが、この中では「呪わしい」は自分自身についても使うことができます。
残念
- 心残り…あとに心に残ること、残念に思う。
- 口惜しい…残念である、がっかり、情けない、耐えがたい。
- 無念…不本意、残念。
- 痛恨…ひどくうらむこと、おおいに残念。
- 未練…心の残ること。
何について残念に(恨めしく)思うかは状況次第ですが、「残念に思う」のは自分自身ですから、どの言葉も自分自身の心情を言い表すことができます。
「恨めしい」の英語表現
「恨めしい」を英語で言うと、以下の通りです。
- reproachful(とがめたり非難する気持ち)
- regretful(後悔する気持ち)
- wistful(悲しくて残念な気持ち)
「恨めしい」と言う時の感情によって、上記の中から適切な単語を選択しましょう。なお、いずれの単語も最後に「-ful」とつくのは、その感情が「(心や胸に)いっぱいになっている、満ちている」という意味を表すためです。
また、やや感情に寄った言い方となりますが、「(feel) bitter」(苦々しく思う)、「resentful」(憤慨する)、「angry」(怒り)などの単語も「恨めしい」の訳語として成り立ちます。
例文
- His reproachful mind grew, but his shyness did not allow him to defy his brother.(恨めしい気持ちは募っていたが、気弱な彼は兄に逆らうことができなかった)
- I am very regretful about the incident.(私はあの事件のことをとても恨めしく[残念に]思っています)
- She had a wistful look on her face.(彼女は恨めしそうな[悲しそうな]顔をしていた)