「絶許」の意味
「絶許」とは、「絶対に許さない」の略で、何か(特に有名人など)に怒りを表す際に用いられる表現です。
若い人の間やネット上でよく使われる表現であるため、若者言葉・ネットスラングの一つと考えられており、さほど怒りの感情がなくてもネタとして使われることも多い言葉です。
「絶対に許さない」という言葉そのものは一般的な言葉で、「絶許」という表現は2000年代からネット上で使われだしていますが、正確な由来ははっきりとしていないようです。
「絶許」の読み方
「絶許」の読み方は、元の「絶対に許さない」から「ぜっゆる」、「ぜつゆる」、「絶許」を熟語っぽく読んで「ぜっきょ」などがあります。
ネット上の言葉は発音されないことが多いため、正確な読み方は存在しませんが、発音のしやすさや音の分かりやすさから「ぜつゆる」という読み方が最もメジャーなようです。
「絶許」の使い方
「絶許」「絶対に許さない」は、何かに対して怒りを表す際に用います。実際はそんなに怒っていなくても、ネタとして怒っているようにふるまう際にも使われます。
例)
「おかんに大切にしてたフィギュア捨てられた絶許」
「入れないって言ってたのに店長にバイト入れられた…絶許」
「楽しみにしてたプリン食べるなんて絶対に許さない」
というような使い方があります。
ネット上では、以下に示すような定型文で使われることも多くあります。
「絶許」の定型文
「絶許」「絶対に許さない」には、いくつかの定型文が存在します。主に動画サイト内や、2ちゃんねるなどのインターネット掲示板内で使用されます。
- 怒っている人をなだめる「もう許してやれよ」に対し、「絶対に許さないぞ、絶対にだ。」あるいは「絶許」
- 絶対に許さない。顔も見たくない
- 絶対に許さないよ メモったからな 三日後100倍だかんな
などが定型文として知られているようです。
「絶許」が話題となった出来事
9.11放屁テロ事件
2006年9月11日にフジテレビ系列で生放送された番組内において、タレントの米倉涼子さんのコメント中に謎のノイズが入り、その後唐突に笑いだすという挙動不審な態度から、2ちゃんねる内で「放屁したのではないか」という推測が広まり、放送日の日付からアメリカの同時多発テロとかけて「9.11放屁テロ事件」と名付けられました。
放屁したかどうかの真偽は定かではありませんが、その後、2ちゃんねるなどの掲示板内で米倉涼子さんが度々いじられるようになり、それに対して「もう許してやれよ」「絶対に許さない」「絶許」といった定型文が定着していったようです。
元・日ハム金村選手の舌禍事件
阪神タイガース(元・日本ハムファイターズ)の金村曉選手が起こした舌禍(ぜっか)事件でも、「絶許」という言葉が話題になりました。
2006年9月24日の対ロッテ戦で、当時日ハムの投手だった金村選手は5年連続2桁勝利と6年連続規定投球回到達の記録をかけて登板していました。しかし、5回裏で4-1(日ハムのリード)で2アウト満塁のピンチを迎えた際、当時日ハムの監督であったヒルマン監督が金村選手を降板させてしまいます。
その後のシーズン中に金村選手の登板予定がなかったため、結果として、金村選手のこの年の成績は9勝6敗、投球回数134回2/3回(規定回数は135回)と規定に届かず、記録はこの年で途切れてしまうこととなりました。
そのことに対し、金村選手は「絶対に許さない。外国人の監督だから個人の記録は関係ないのでしょう。顔も見たくない」とコメントし、球団側はその発言をした金村選手に対し重大なペナルティを課しました。その後、金村選手は他の選手や首脳陣に対し謝罪し、和解しています。
ネット上ではこの発言から、この舌禍事件や金村選手を「絶許」「絶許顔見」と呼ぶようになったようです。
小清水事件
2008年、声優の小清水亜美さんが「笑っていいとも!」に出演した際、観客にアニメファンが少なく、キャラクターの声をしても会場が微妙な雰囲気になってしまったことから、2ちゃんねる内でブッキングミスをした事務所や番組側に対して「絶対に許さない」「絶許」といった反応が相次ぎました。
それがネタ化し、いつしか小清水亜美さん本人に対して「絶対に許さない」「絶許」が使われるようになり、2012年、小清水亜美さんはブログでそのような風評被害に対し不快感をあらわにしています。