「舌が肥える」とは?意味や使い方をご紹介

グルメ番組の巧みな食レポで、「さすがこの人、舌が肥えてるな」と感心してしまった経験はありませんか?振り返って、自分のことを「舌が肥える」と感じることのできる機会はあまりないかもしれません。この記事では、「舌が肥える」の意味や使い方について解説します。

目次

  1. 「舌が肥える」とは?
  2. 「舌が肥える」使い方
  3. 「舌が肥える」英語での表現
  4. 「肥える」を使った慣用句
  5. 「舌が肥える」の反対表現:「貧乏舌」

「舌が肥える」とは?

「舌が肥える(したがこえる)」とは、次のようなことを言います。

  • 美食に詳しく、いろいろなものを食べて、美味しいものとそうでないものがわかるようになること
  • 美味しいものを好むようす

「口が肥える」という慣用句もありますが、「舌が肥える」と同じ意味で使われます。また、「舌が肥えた人」と同じ意味で、「食通(しょくつう)」「美食家(びしょくか)」「グルメ」などの言葉が使われることもあります。

「口が奢る」とは?

「舌が肥える」に似たような慣用句に、「口が奢る(くちがおごる)」というものがあります。「舌が肥える」「口が奢る」の両方とも、美味しいものを好むという意味を持ちます。

ただし、「口が奢る」は、美味しいものしか食べない、美味しいものに慣れてしまってぜいたくになっているというニュアンスも強く、あまり良くない意味で使われることも多いようです。そのため、「舌が肥える」よりは、使う場面に注意したほうがベターです。

「舌が肥える」使い方

  • この春に異動してきた上司は、食べ歩きが趣味で舌が肥えている人だと評判なので、歓迎会をどのお店で開いたら満足してもらえるか迷ってしまう。
  • 裕福な家庭に育った友人は、美味しいものを食べ慣れていて舌が肥えているにもかかわらず、友達同士で行くファーストフードのハンバーガー店にも楽しそうに付き合ってくれる。
  • うちで飼っている犬にちょっと高めのドッグフードを食べさせていたら、舌が肥えてしまって、特売の安いドッグフードにはまったく目もくれなくなってしまった。

「舌が肥える」英語での表現

「舌が肥える」を英語で表現する場合、次のような意味合いのフレーズが使われます。

  • good taste in food:食べ物について良いセンスを持っている
  • have a discriminating/discerning palate:味覚について高い感度を持っている
  • have a palate:味を見分ける力を持っている
  • be particular about one's food:食べるものの対しての好みがうるさい

「肥える」を使った慣用句

「肥える」という言葉には、次のような意味があります。

  1. 人や動物などの体に、肉がついて太る。
  2. 土地がたくさんの栄養をたくわえ、作物を育てるのに適した状態になる。
  3. 財産や資産などが増える。
  4. たくさんの物事に触れる経験を通して、物事が良いか悪いか判断する能力がつく。

「舌が肥える」の「肥える」は、4の意味で使われています。そして、同じ使い方で「肥える」という言葉を使った慣用句は「舌が肥える」のほかにも次のようなものがあります。

目が肥える

「目が肥える(めがこえる)」は、良いものをたくさん見た経験を通して、物の良しあしを見分ける力がつくことを言います。

【例文】
結婚式場に勤める伯母は、職業柄、和服には目が肥えている。

耳が肥える

「耳が肥える(みみがこえる)」は、音楽などをたくさん聴いたことで、それを味わう能力が豊かになっていることを言います。

【例文】
今回のコンサートで初めてこのオーケストラを指揮することになった指揮者は、耳の肥えた聴衆の前で緊張を隠すことができなかった。

「舌が肥える」の反対表現:「貧乏舌」

「舌が肥える」の反対表現に、貧乏舌(びんぼうじた)」という言葉があります。何を食べても美味しいと感じる舌を持つ人のことです。「安い食べ物でも満足できる」とか、「味の良し悪しがわからない」という意味の言葉なので使い方に注意が必要です。

しかし、何を食べても美味しいと感じることができるので、「舌が肥えている人よりもある意味で幸せな人」と言うこともできます。ネットで「貧乏舌」を検索すると、「貧乏舌 幸せ」という言葉が関連して出てきたりもするので、そう考えている人は多そうですね。

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