「霞む」の意味
五段活用の自動詞「霞む」(かすむ)、意味は以下の3つです。
- 風景などがはっきりせずにぼやけて見える
- 1から派生して、目が見えにくい
- 1から派生して、目立たない
「霞む」の使い方
1.ぼやけて見える
空気中に含まれる水分やちり、煙などのせいで、霧やもやがかかって遠くの方の景色がはっきりとせずぼやけて見えることを「霞む」で表せます。そのような現象を表す「霞(かすみ)」は春の季語ですが、「霞む」は季節に関係なく使えます。
【例文】
- 春の夜の朧月(おぼろづき)は、霞んでいるから風情(ふぜい)があるんだね。
- 遠くの山に桜が咲いて、薄っすらとピンクに霞んで見える。
- 山焼きをする煙で、周囲が霞んでいる。
2.目が見えにくい
「霞む」の元々の意味から派生して、ストレス、目の使いすぎ、病気や加齢など目に何らかの支障があってぼやけて見えにくい状態、視力が悪くなることを表せます。
【例文】
- ずっとスマホを見ていたせいで目が乾き、霞んで見える状態だ。
- 歳のせいか、急に手元を見ようとすると目が霞んでピントが合わなくなる。
3.目立たない
「霞む」の「ぼやけて見える」という意味を、人の存在にたとえる場合もあります。他の人よりも目立たないといったような、周りの人と比較するような使い方をします。
【例文】
- あのドラマは、主役が霞んで脇役のほうが目を引く存在だった。
- 記者会見では、俳優のお父さんの存在感が勝って、2世タレントの娘さんが霞んでしまう。
「翳む」について
「霞む」は、「翳む」(かすむ)という字を用いることもあります。「翳む」は、2の「目が見えにくい」意味で使われます。
【例文】
- 細かい字を見すぎて目が翳み、目薬をさすことにした。
- 疲れて目が翳むのに悩んで、中距離に焦点が合うパソコン用メガネを作った。
「翳」の字を使った熟語に「底翳(そこひ)」があります。目が見えにくくなる疾患のことです。一例を挙げると「白底翳」(しろそこひ)があります。何らかの原因で目の水晶体が白く濁り視力が低下する「白内障」の別名です。