「まかり間違って」の意味
動詞「まかり間違って」の基本形は「まかり間違う」です。この「まかり」は漢字で書くと「罷り」で、ここでは動詞に付いてその意味を強める働きをします。
「まかり間違って」は「間違う」の意味を強めて、間違えたら大変なことになる・失敗したら最悪な状態になることを表しています。つまり、「どんなに間違っても」「どんなことがあっても」という意味です。
「まかり間違って」の使い方
「間違って(も)」は、「間違っても友達を裏切らない」「間違って操作ミスしたら大変だ」のように、後に打ち消しやネガティブな言葉を伴った仮定形で使いますね。
「まかり間違って」の使い方も「間違っても」と同じです。「まかり間違っても〜ない」という否定の仮定形で使われます。また、「まかり間違って〜たら大変だ」のように、仮定の後にネガティブな言葉が続くこともあります。
例文
- まかり間違っても、自分の命を危険にさらしてはならない。
- 「まかり間違っても恩を仇で返すことはしない」と心に誓った。
- まかり間違って機密情報が流出したら、取り返しがつかない。
「まかり間違って」以外の使い方
「まかり間違う」は「まかり間違って」のほかにも、以下のような形でも使われます。これらも、万が一間違った場合には大変なことになってしまう・最悪のことになるという気持ちの表現です。
- まかり間違えば
- まかり間違ったら
- まかり間違うと
【例文】
- まかり間違えば大勢の人たちが命を落とすところだった。
- 「まかり間違ったらすべてを失う」と私は覚悟を決めた。
- まかり間違うと大損害をこうむるだろう。
「まかり間違って」の類語
「まかり間違って」のほかにも、間違いや失敗の表現はいろいろとあります。
仕損じる(しそんじる)
「仕損じる」または「仕損ずる」には、物事を失敗する・目指した目的とは違う結果となるという意味があります。これらは「し損じる」「し損ずる」と表記されることが多いようです。
「仕損じる」を用いたことわざに「急いては事を仕損じる(せいてはことをしそんじる)」というものがありますね。これは、早くしようと焦るほど物事は失敗しやすくなるという意味です。
【例文】
- 初めてのことだったとはいえ、あまりに多くの作業を仕損じてしまった。
- プログラムの更新を仕損じたため、メンテナンス作業が予定よりも大幅に遅れた。
ちょんぼ
「ちょんぼ」は、うっかりして間違えること・不注意で失敗やミスをすることです。麻雀であがりの牌を間違えることを「ちょんぼ」と言うことから、失敗を意味するようになったと言われています。「ちょんぼ」は名詞ですが、「ちょんぼする」の形でもよく使われます。
【例文】
- 入社して間もない頃はちょんぼばかりで、周りの人たちにたくさんの迷惑をかけた。
- こんなにも簡単な仕事でちょんぼしてしまったなんてショックだ。
為違える(しちがえる)
「為違える(しちがえる)」は、やり方を間違える・何かをしようとして失敗するという意味です。「為違える」の「為」には「行う・実施する」という意味があります。
「為」を「し」と読む機会は少ないかもしれませんが、文学作品などでは、動作を行うことなどを表す「した」を「為た」と書いているものも見られます。
【例文】
- 判断を為違えたため、今までの苦労はすべて水の泡となった。
- 移動を為違えたことに気がついたが、手遅れだった。
蹴躓く(けつまずく)
「蹴躓く(けつまずく/けつまづく)」は、足先が物に当たってよろけるという意味の他に、障害にぶつかり途中で失敗してしまうという意味があります。「蹴躓く」は「つまずく」を強めていう表現です。
【例文】
- 人員不足のために、プロジェクトは蹴躓いてしまった。
- いつも大切なところで蹴躓くという傾向が私にはあるようだ。
「まかり間違って」の英語表現
「まかり間違って」を英語で表したい場合は、if the worst comes to the worstもしくはat(the)worstを使うと良いでしょう。最悪の事態になっても・最悪の場合でもという意味で使われる英語表現です。
【例文】
- If the worst comes to the worst, we will have to keep on going.(最悪の事態になっても、私たちは進み続けなければならない)
- At worst, she will not walk out on them.(最悪の場合でも、彼女は彼らを見捨てないだろう)