「培う」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは、「培(つちか)う」という言葉の意味をご存知でしょうか。「育(はぐく)む」「養(やしな)う」といった言葉との違いについてはいかがでしょう。ここでは、「培う」の意味や使い方、例文などとともに、「育む」「養う」などの類語について、ご紹介します。

目次

  1. 「培う」の意味
  2. 「培う」の類語
  3. 「培う」の例文
  4. 「培う」の英語表現

「培う」の意味

培(つちか)う」という言葉には、大きく分けて二つの意味があります。一つ目は「草木の根本に土をかけて植物を育てる」、二つ目は「長い時間をかけて育てる」です。

「長い時間をかけて育てる」ものは、例えば、友情自信人間関係経験技術体力、経済力、理念、価値観など、どちらかと言うと目に見えない抽象的なもの、年月とともに人が自分の財産として身につけることができるものに使う場合が多いでしょう。

「培う」の類語

「培う」に似た言葉に、「育(はぐく)む」「養(やしな)う」という言葉があります。「培う」は、栽培、培養などの言葉に見られるように、植物を育てる意味合いが強いことに対し、「育む」「養う」は、動物や人間に対して使われることの多い言葉です。

「育む」

育む」は、親鳥がヒナを羽で包んで育てるという「羽含(はくく)む」という言葉に由来します。そこから転じて、大切に守り大きくする愛情深く大切に育てる大事に守って発展させるという意味が生まれました。

「夢を育む」「食文化を育む」「興味、関心を育む」「草木を育む」「友情を育む」などのように使います。

「養う」

養う」には、衣食の面倒を見るといった生活(生命)維持のほか、実力を養うというように力や習慣を徐々に作り上げるということも表します。「長い時間をかけて価値観を培う」などのように使う「培う」との共通点はここにあります。

「培う」との違いは、「養う」が植物を育てることには用いられないことです。「創造性を養う遊び」「子どもを養う」「人を見る目を養う」「忍耐力を養う」「父に養われた美徳」のように使います。

「培う」の例文

  • 長い時間をかけて培った知恵と経験、そして何より人脈が彼の窮地を救った。
  • 彼らの希望は培ってきた家庭を守りたいという、ただそれだけだった。
  • 幼い頃に培われた音楽への愛情が、彼女の職業人生に大きな影響を与えた。
  • 10年以上に渡り培ってきた関係を失い、彼女は悲しみに打ちひしがれた。
  • 人間を培うのは環境も大きいが、読書が果たす役割も小さくはない。

「培う」の英語表現

英語では「培う」を次のように表現します。

  • cultivate…耕す
  • foster…育てる、養育する、発展させる
  • grow…育てる、栽培する
  • accumulate…積み重ねる、蓄積する、少しずつためる

【例文】

  • He is very good at cultivating vegetables.(彼は野菜を育てるのがとても上手です。)
  • I want to cultivate good manners.(洗練された振る舞いを身につけたい。)
  • They are my foster parents.(彼らはわたしの育ての親です。)
  • They tried to foster their sociability.(彼らは社会性を身につけるべく努力した。)
  • I love growing roses.(バラを育てるのが大好きです。)
  • Grapes grow ripe in autumn.(ブドウは秋に実をつける。)
  • She has accumulated great wealth.(彼女は莫大な富を築いた。)
  • To accumulate knowledge, he has tried hard for a long time.(知識を得るために、彼は長年に渡り努力した。)


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ