「疎い」とは?意味や使い方をご紹介

「疎い(うとい)」は、まず読み方が難しい言葉です。また、読み方がわかったとしても、あまり使われることのない言葉なので、特に若い人たちにとっては意味も曖昧かもしれません。今回は、少々古めかしい言葉ともいえる「疎い」の意味と使い方を類語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「疎い」とは?
  2. 「疎い」の使い方
  3. 「疎い」の類語

「疎い」とは?

「疎い(うとい)」は、若い人たちにとっては使い慣れない言葉かもしれませんね。意味は大きく分けて下記の5つです。

  1. 対象とされる人と親しい関係でないこと、かかわりが薄いこと。親しくなく疎遠(そえん)なこと。
  2. 対象とする物事についての理解や知識が不足していること。対象の事情に通じていないこと、よくわからないこと。
  3. 対象に隔たり(へだたり)を感じ、なじめないこと。親しみが持てず、わずらわしく思うこと。
  4. 間が抜けていること、愚かであること。
  5. 目や耳の働きが十分ではないこと。

現代日本語で用いられている意味は1と2です。3は、「疎ましい」と変化した形で用いられますが「疎い」という形ではほとんど使われなくなっています。4,5の意味は、古い日本語において使われていたものです。

「疎い」の使い方

上記1と2の意味は、対象との関係性が薄いこと、緻密(ちみつ)ではないことを意味している言葉と理解すれば、対象が人かそれ以外かで、使い方は自ずからわかるでしょう。

ごくシンプルにいえば、「あまり親しくない」「よくわからない」という言い回しで表現できることに使える言葉だということです。

人間が対象の「疎い」の文例

(A子)

東京から沖縄に転居して10年、東京の友人たちとはすっかり疎くなってしまったわ。

(B男)

退職したら、メールの受信が10分の1に減ったよ。去る者は日々に疎しとは、よく言ったものだ。

(C子)

私と彼の仲が疎くなったのは、パリ旅行での大喧嘩からなの。

事象が対象の「疎い」の文例

(D男)

僕はワインにはまったく疎いから、高級レストランでのデートより居酒屋のほうがいいなあ。

(E子)

雑誌編集が仕事なのだけれど、特集が自分に疎い分野だと胃が痛む思いよ。

(F男)

君は恋愛には疎いのだから、見合い相手を紹介してあげようか?

「疎い」の類語

「不案内」

「不案内」(ふあんない)と読みます。対象となるものについての細かい知識や心得がないことにより、その事情や様子がわからないことを意味する言葉です。「~(に)は不案内だ」などの形で用います。

【文例】

  • この土地には不案内なので、どこにどんな見るべき場所があるのかまったくわからない。
  • お尋ねの案件につきましては、私はお恥ずかしいことに不案内ですので、担当者を呼んでまいります。

「知識不足」

「知識不足」(ちしきぶそく)と読みます。読んで字のごとくで、対象についての知識が不足しているという意味の言葉です。

【文例】

  • インスタグラムを始めたものの失敗ばかり。まるで知識不足を露呈するためにやってるみたいなものだ。
  • テレビのクイズ番組への出場をかけた選考会があったが、問題が知識不足の分野ばかりで落選してしまった。

「不見識」

「不見識」(ふけんしき)と読みます。「見識」とは物事を深く理解し、本質を見通す判断力や、対象への確かな意見などを持つことを意味します。「不見識」とは、人がその見識を欠き、しっかりとした意見や判断力を持っていない状況を意味します。

【文例】

  • キャンプ場での君たちのやりたい放題の行動は、あまりに不見識だぞ。
  • あの博識のA氏と対談するなど、自分の不見識をさらけだすのに等しいから、憂鬱(ゆううつ)だ。

「門外漢」

門外漢(もんがいかん)と読みます。対象の物事とは畑違いの人、その分野について知識がない人のことを指す言葉です。

【文例】

  • 有名なオーケストラのコンサートチケットを頂いたのだけれど、クラシックについては門外漢なので、私にはもったいないわ。
  • 私は、研究畑一筋でやってきて営業部門は門外漢だから、今回の異動で日々悪戦苦闘している。

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