「携える」とは
「携える」(読み:たずさえる)は、下一段活用の他動詞です。「携」の本字は「攜」で、手偏「扌」に「巂」(読み:ケイ)の組み合わせから成り立ち、手に下げて持つことを表すとされています。
「携える」の意味
「携える」の意味は大きく分けて4つあります。
- 手に持つ・身につけて持つ
- 共に行く
- 手を取り合う
- 協力する
1と2は「携える」だけで使いますが、3と4は「手を携える」という形で用いられます。それぞれの意味と使い方について、詳しく見ていきましょう。
1.手に持つ・身につけて持つ
「携える」は、「携」の字の成り立ちから分かるとおり、手に下げて持つ、体に付けて持つといった意味があります。手にしっかりと下げている、肌身離さずに大切に持っているようなイメージで考えると良いでしょう。
【使い方】
- 旅行のお土産を携えて職場に出向く。
- 侍は刀を携えて歩いていた。
2.共に行く
「携える」には、身につけて持つことを表すところから派生して、誰かと共に行く、連れて行く(連れ立って行く)、同行する、伴うという意味もあります。
【使い方】
- 転勤に際し、家族を携えて新天地に向かう。
- 子供を携えてピクニックに出かける。
3.手を取り合う
「手を携える」とは、相手と互いに手を取り合うことです。手をつなぐという意味もありますが、転じて、相手の手を取って一緒に連れて行くことを指すこともあります。
【使い方】
- 手を携えて夫婦で浜辺を歩く。
- 彼女と手を携えて海外旅行に出発する。
4.協力する
「手を携える」は、3の意味の「手を取り合う」から派生して、互いに協力する、一緒に行うなどの意味もあります。個人同士だけでなく、所属先などの団体同士でも使われる言葉です。
【使い方】
- ライバルでもある彼と手を携えて研究に臨む。
- 他県とも手を携えて災害復興に力を入れる。
「携わる」とは
「携える」に似た語句に「携わる」がありますが、こちらは五段活用の自動詞です。「携わる」にも連れ立つ、手を取り合うといった意味もありますが、現代ではほとんど用いられません。
もっぱら、仕事や事業などの業務について、関係することや従事していることを表す場合に使う言葉です。
【使い方】
- 子供の頃から教育現場に携わるのが夢だ。
- 新規のプロジェクトに携わって成果を収める。