「おこがましい」とは?意味や使い方をご紹介

「おこがましい」という言葉について、現在使われている意味やその由来を記載しました。また、様々な場面での「おこがましい」の使い方の例をあげ、「僭越」など似た意味の言葉との違いについての説明も入れてまとめました。

目次

  1. 「おこがましい」とは
  2. 「おこがましい」の由来
  3. 「おこがましい」の使い方
  4. 「おこがましい」の類義語

「おこがましい」とは

「おこがましい」とは自分の立場や身分をわきまえず、分不相応な出すぎたことをしているようすを表す言葉です。つまり、「おこがましい」は決して良いニュアンスではありません。この言葉は、主に自分自身の行いについて、へりくだった気持ちをあらわすために使うことが多いでしょう。

「おこがましい」の由来

「おこがましい」は漢字では「烏滸がましい」や「痴がましい」などと書きます。

「烏滸がましい」の「烏」はカラス、「滸」は水辺の意味です。「烏滸(おこ)」は後漢時代の中国で使われていた言葉で「水辺に集まるカラスのように、ばかばかしくうるさい、おろかな人々」をあらわしています。この言葉が日本にも伝わって「道化・ばかげたことをして人の笑いをさそう行い」などの意味でも使われるようになりました。

「痴がましい」の「痴(おこ)」には、「おろかである・知恵が不足している・理性を失っている・ばかげている・未熟」といった意味があります。

このことからも分かるように「おこがましい」という言葉は、もともと「おろかでばかげていること」をあらわす言葉だったのです。

それが時代とともに次第に意味が変化して、もともとの意味で使われることはほとんどなくなりました。現在では、もともとの意味「おろかでばかげていること」の一つである「身の程をわきまえず出すぎたまねをする」ことを「おこがましい」というようになってきたのです。

「おこがましい」の使い方

地位・身分・立場などが上位の人に対して、下位の人がちがう意見を言ったり、何かを依頼したりする場合などに、下位のものがへりくだる気持ちをあらわすために使うことことがよくあります。

「おこがましいことを申し上げますが、ただ今の提案については前回の反省をもとにして、一部手直しした方がよいと思います。」

「大変おこがましいお願いをして、申し訳ありませんが・・・。」

「専門家の方々が、参加されている中で、素人の私がこのような発言するのはおこがましいのですが・・・。」

相手の言動に対して「おこがましい」を使うことはあまり多くありませんが、上司が部下を注意・叱責する場合などに使うケースが考えられます。しかし相手を必要以上に傷つけるおそれもあるので、注意が必要です。

「これまでのことを何も知らない君が、そんなことを言うのはおこがましい。」

「調子に乗って自分一人の力で何でもできるような気になっているんだろうが、それはおこがましい態度だと思わないか。」

「おこがましい」の類義語

最後に「おこがましい」の類義語をまとめました。

「おこがましい」と「僭越」

「僭越」という言葉は、お祝いの席のあいさつ・スピーチなどで「僭越ですが」という言い方で使われることが多いですね。「僭越」も、身の程をわきまえず出しゃばったまねをするというような意味ですので、自分が大勢の前でお話しすることについて「このような場でお話しするほど私はりっぱではありませんが」と謙遜している気持ちをあらわすことができます。「おこがましい」とよく似た意味の言葉です。

「おこがましい」と「生意気」

「生意気」も分不相応な出しゃばった態度を表すので意味としてはよく似ているといえます。しかし、この言葉は「なんて生意気なやつだ!」などと相手の言動を否定的にとらえている場合に使われることが多いです。またへりくだるつもりで「生意気ですが」と使うと逆に挑戦的な態度と受け取られることもあるので、あまり使わない方が無難と思われます。

「おこがましい」と「差し出がましい」

「差し出がましい」は、出しゃばって余計なことをしたり、必要以上に他人の事にかかわったりする様子を表していて「おこがましい」と意味も使い方もよく似ています。しかし「差し出がましい」は他人の事に余計なお節介をする意味が強く、自分の地位や身分をわきまえていないというニュアンスが強い「おこがましい」とは使い分けた方がいいでしょう。

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