「躊躇われる」とは?意味や使い方をご紹介

「躊躇われる」は「ためらわれる」と読み、意志に関係なく自然にためらってしまうという状態を指します。そのような意味は「躊躇われる」を構成する助詞の意味を精査すると理解できるものです。分析を示し、意味や使い方を紹介していきます。

目次

  1. 「躊躇われる」の意味
  2. 「躊躇われる」の一般的な用法
  3. 「躊躇われる」の遠回しな否定の用法
  4. 「躊躇われる」の類語

「躊躇われる」の意味

躊躇(ためら)われる」は一語のように見えますが、実は動詞と助動詞の組み合わせで成り立っています。

「躊躇われる」の語構造

意味を詳しく説明する前にまず、「躊躇われる」の文法的な構造を確認しておきましょう。「躊躇われる」は、動詞「躊躇う」の未然形に助動詞「られる」がついた語です。

  • 躊躇う:決心がつかず、迷うの意。
  • られる:受け身、可能、自発、尊敬を表す助動詞。

「躊躇われる」の意味

「躊躇われる」の意味は助動詞の意味に従って4つあるはずですね。しかし、心理的な状態に可否を問うのは難しいため、基本的には【受け身】【自発】【尊敬】の3種が使われます。

  • 受け身…「契約目前で、クライアントに躊躇われてしまい、成立にこぎつけられなかった。」
  • 自発…「口約束だけで1000万円を投資するのは、さすがに躊躇われる。」
  • 尊敬…「先生は、深謀遠慮で躊躇われているご様子だ。」

今回は、一般的な用法の他に、遠回しな否定表現としての利用が定着している【自発】の「躊躇われる」について解説します。

「躊躇われる」の一般的な用法

【自発】のかたちで使われる「躊躇われる」は、一般的には、人の意志に関係なく、自然に躊躇っているという状態を表します。

<例文>

  • 溢れたゴミ箱の横にゴミを捨てるのは、なんだか躊躇われる
  • 彼は親切心でやっていることなので、やめろと言うのは躊躇われる

「躊躇われる」の遠回しな否定の用法

日常において、「嫌だ!」「無理だ!」と思っても、ストレートにそのまま口に出すのは遠慮しなくてはならない場面はありますね。

そんな時、婉曲的な否定や断りの表現として、「躊躇われる」を使うことがあります。円滑なコミュニケーションのために覚えておくといいでしょう。

遠回しな否定を使う場面例:回答

「躊躇われる」を用いた婉曲的な表現は、たとえば、次のようなシーンでの受け答えで役立ちますよ。

<例1>「ちょっとあの人のかばんのブランドを聞いてきてよ」

  • ストレートな回答:「知らない人にいきなり話しかけるのは嫌です」
  • 婉曲的な回答:「知らない人にいきなり話しかけるのは躊躇われます

<例2>「若い子たちの服装が会社向きじゃないと思うんだけど、注意しておいてくれる?」
  • ストレートな回答:「若手社員に服装のことを細かく言うのは面倒です」
  • 婉曲的な回答:「若手社員に服装のことを細かく言うのは躊躇われます

<例3>「どうですか、簡単で時給も良いパートですよ?」
  • ストレートな回答:「家族の意見を聞かずにお返事するのは無理です」
  • 婉曲的な回答:「家族の意見を聞かずにお返事するのは躊躇われます

遠回しな否定を使う場面例:話し始め

受け答えだけでなく、切り出しにくい話を始める時にも、「躊躇われる」を使って遠回しに表現することができます。

<例文>

  • 直接お伝えするのは躊躇われるのですが、御社の社員の方の素行についてご報告いたします。
  • 先輩にこんなことを言うのは躊躇われるのですが、後輩たちに高圧的すぎではないでしょうか?

「躊躇われる」の類語

「憚(はばか)られる」

「躊躇われる」に近い意味を持つ自発形の表現に、「憚(はばか)られる」があります。動詞「憚(はばか)る」は、立場や状況を考えて関わることを避けることを意味します。

<例文>

  1. 自分ごときが上司に改善案を進言するなんて、憚られる
  2. 自分ごときが上司に改善案を進言するなんて、躊躇われる

「憚る」には相手との間に差し障りがあり気兼ねするという意味合いがあるので、上の例ならば「憚られる」の方がより良い言葉の選択と言えます。

「躊躇(ちゅうちょ)される」

「躊躇われる」の漢語的表現である「躊躇(ちゅうちょ)する」も、「躊躇(ちゅうちょ)される」と自発形にして「躊躇われる」と同様に使えます。


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