「タイブレーク」とは?意味や使い方をご紹介

スポーツ中継などを見ていて「タイブレークにもつれこむ」といった表現を耳にしたことはないでしょうか。テニスのルールのひとつとして古くから知られていますが、近年では高校野球などでも導入されているルールです。今回は、「タイブレーク」の意味や使い方を解説します。

目次

  1. 「タイブレーク」とは?
  2. 「タイブレーク」という用語の使い方
  3. 「タイブレーク」:テニス
  4. 「タイブレーク」:野球
  5. 「タイブレーク」:その他のスポーツ

「タイブレーク」とは?

「タイブレーク」(tie break)とは、主にテニスや野球など時間制限のないスポーツにおいて、ゲームの決着を早めることを目的として導入されている「均衡を破るためのルール」のことです。

例えば、点数を競う競技で、両者の点数が均衡したままゲームが膠着してしまった場合、それを打ち破るため、点数が入りやすくするなどして膠着状態を打破すべく適用されるルールが「タイブレーク」です。

また、リーグ戦などで、成績(勝敗数、得点数)が均衡し同順位となってしまったチームの順位をつけるために行われる「順位決定戦」のことを「タイブレーク」と呼ぶ場合もあります。

由来

「タイブレーク」という用語は、英語の「tie」(=結ばれたもの、同点、引き分け)と「break」(=破る、打ち切る)から作られた言葉です。

元々は、賛否を必ず決定しなければならない投票において、賛否同数票となってしまった場合に、決裁権を持つ責任者が最後に賛否どちらかに投じる票を「tie break」と呼んだことに由来します。

なお、日本語では「タイブレイク」と表記されることもありますが、意味は同じです。

「タイブレーク」という用語の使い方

  • 最も強いプレイヤーが決する大会決勝戦のタイブレークは、凄く見栄えがある。
  • タイブレークはルールが複雑すぎる。もう少し単純にならないものか。
  • 高校野球にタイブレークを導入するかどうかは、もっと議論したほうがいいのではないか。

「タイブレーク」:テニス

テニスでは、本来6ゲームを取ったプレイヤーが1セットを獲得するルールです。ただし、相手に2ゲーム差以上をつけて6ゲームを獲得しなければらないルールのため、実力が拮抗しているとスコアが6-6となり、その後も延々とゲームが続いてしまうことがあります。

そこで、両者のゲームスコアが「6-6」で並んだ場合に限り、「タイブレーク」のルールが適用されます。その内容は、以下の通りです。

  • 先に7ポイント取ったプレイヤーが勝利する(セットを獲得する)
  • ただし、相手に2ポイント以上差をつけないと勝利にならない
  • 両者のポイント合計が6の倍数になるごとにチェンジエンド(陣地交換)

通常のゲームに比べて「タイブレーク」は決着がつきやすくなっていますが、2ポイント差がつくまでは延々とゲームが続くため、実力が拮抗したプレイヤー同士では体力や気力を極限まで問われることになります。

「タイブレーク」:野球

野球も伝統的には制限時間がないスポーツであるため、延々と試合が続いてしまうことを回避するため、「タイブレーク」のルールが存在します。

ただし、テニスに比べると導入の歴史が浅く、「タイブレーク」の妥当性に関わる議論もあるため、団体や大会によってルールの細部は異なり、今後も変更されていく可能性があります。

現在(2019年)では、以下のような「タイブレーク」のルールが一般的です。

  • 延長10回(11~13回の場合もあり)から、攻撃側は一塁と二塁にランナーを置いた状態でゲームが始まる(一塁だけの場合や、満塁からスタートの場合もある)
  • その後は、点数差による決着がつくまで延長戦が続けられる(時間制限によって引き分けになる場合もある)

高校野球におけるタイブレーク

日本の高校野球においても、選手の負担軽減や試合時間の短縮を目的として長年議論が続けられてきましたが、2018年の夏から以下のような内容の「タイブレーク制」が導入されました。

  • 延長13回から、攻撃側はランナーを一塁、二塁に置いた状態から始まる。
  • 延長13回の開始時のみ、攻撃側は、打順を選択することができる(以降の回は前イニングの打順を引き継ぐ)。
  • 延長15回までで引き分けとされていたそれまでのイニング制限を廃止(延長15回以降も試合が続く)。

導入後、さっそくその年の甲子園大会において「旭川大高」と「佐久長聖」のゲームでタイブレーク制が初めて導入され、延長14回表に佐久長聖が決勝点を入れて試合を決しました。

「タイブレーク」:その他のスポーツ

テニスや野球以外にも、ソフトボール、バスケットボール、カーリング、クリケット、フットボールなど多様なスポーツに「タイブレーク」もしくはそれに準ずるルールがあります。

細部のルールや適用例はさまざまですが、いずれもゲームのショウアップ(見栄え、間延び防止)や、プレイヤーの負担軽減を目的として導入されている点は共通です。

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