「毛色が違う」とは
「毛色が違う」という言葉は、「毛色」と「違う」という二つの単語が組み合わさってできています。「毛色」とは、人の髪の色、動物の毛の色を意味し、また物事の種類や性質を表す単語でもあります。
「毛色が違う」の一つ目の意味は、文字通り「動物などの毛の色が違う」ことを表します。図鑑や博物館などで、毛の色が様々に異なる個体を展示することは一般的に行われています。触れ合い動物園などで黒や茶色、白い毛のうさぎを見たことがある人もいるのではないでしょうか。
二つ目の意味は、「物事の種類や性質が他と異なる」です。何らかの共通点を持つ組織やグループの中で、他と違う性質を持つ対象に対して、「毛色が違う」と言います。
日本は古くから、髪の色を始め、目の色や骨格など、外見に大きく異なる特徴を持つ人が少ない社会です。そのため、他と違って目を引く存在を「毛色が違う」と表現してきたのでしょう。
「毛色が違う」の使い方
動物などの毛の色が違う
- あそこにいるラクダは毛色が違っているね。
- うちの猫が出産したが、母猫と毛色の違う子猫が二匹いた。
物事の種類や性質が他と異なる
- 今回の作品は彼女のこれまでの作風とは毛色が違っている。
- 毛色が違うと思われているからこその抜擢だろうと察せられる。
- 毛色の違う客がレストランにやってきた。
- 先日の会議の結果、例年とは毛色の違う新刊が数多く採用されて驚いた。
「毛色が違う」の類義語
「毛色が違う」の類義語には、一定数の似通ったものの集まりの中で目立つことを表す言葉が相当します。
- 変わった
- 異彩を放つ
- 個性的な
- 特色のある
- 風変わりな
「毛色が違う」の英語表現
英語で「毛色が違う」はどのように表現されでしょうか。
- odd…奇妙な、変な
- different…違う、異なる、別の
- out of the ordinary…普通、通常ではない
- unconventional…従来・慣習・標準ではない
- eccentric…エキセントリックな
- unusual…普通ではない、独特の
「毛色が違う」は直訳するのではなく、「普通ではない」「変わっている」と意訳します。たとえば、'different'と'coat'(毛皮)を組み合わせれば動物などの毛色が違うことを、'type'(種類)などと組み合わせれば性質が異なることを表すことができます。
【例文】
- The camels there have different coat colors.(あそこにいるラクダは毛色が違う。)
- A different type of custmer came to the restaurant.(毛色の違う客がレストランにやってきた。)
「毛色」の類義語
ここで、「毛色」の類義語についても見ておきましょう。
「毛並み」
「毛並み」とは、①毛の生え具合、あるいは、②品種・種類や血統・家柄という意味です。
【例文】
- 丁寧に手入れされたサラブレッドの毛並みの美しさに目をみはった。
- ファーの毛並みを保つには日々のブラッシングが重要だ。
- 種々の問題があるにせよ、医者としての彼の毛並みは折り紙付きだ。
①の場合、動物にだけでなく、毛織り物などに対しても用いられます。また、最後の例文はの「毛並み」は②の意味です。
「毛色」が種類や性質を表すのと同じように、日本語では「毛」によって差異を表すことが分かり、興味深いですね。
「毛足」
「毛足」とは、①毛皮・毛織り物などの表面の毛、②毛が伸びていく様子や伸びる速さ、③毛が生えている足という意味です。
【例文】
- 毛足が長く優雅な猫として知られるペルシャは、温和な性格の持ち主でもある。
- 毛足の長いカーペットはゴージャスだが、清潔を保つにはパワーのある掃除機が必要不可欠だ。
- 髪の毛足が速く、毎月の美容院通いが欠かせない。
- ジーパンにあいた穴から毛足が覗いていた。
「毛足」も「毛並み」と同じく、動物だけでなく毛織り物などに対しても用いられます。ただし、「毛色が違う」「毛並みが良い」のように、品種や種類についての言い回しはありません。