「ありおりはべりいまそかり」とは?意味や使い方をご紹介

「ありおりはべりいまそかり」は、古典の授業で習った記憶があることと思います。全てラ行変格活用の動詞です。「ありおりはべりいまそかり」と、「り」の繰り返しがリズミカルで耳に残っている人も多いのではないでしょうか。各語の意味や使い方を解説します。

目次

  1. 「ありおりはべりいまそかり」とは何か
  2. ラ行変格動詞の活用
  3. 漫画『ありおりはべり』と『いまそかり』

「ありおりはべりいまそかり」とは何か

「ありおりはべりいまそかり」とは、日本語の古語でラ行変格活用をする動詞をまとめて読み上げたものです。完了の助動詞を「きけりつぬたりたしけむ」と連続して読んで覚えたりもするように、よくある語呂合わせのようなものです。

「ありおありはべりいまそかり」に含まれる動詞は以下の4つです。共通するのは「いる」という意味を持つことですが、敬語表現が違っていたりします。
 

動詞 他の表記 敬語 意味
あり     存在する
おり をり   いる、座っている
はべり   謙譲 お側に控える、伺候している
    丁寧 あります、ございます
いまそかり いまそがり、いますかり、いますがり 尊敬 いらっしゃる、おいでになる

【例文】
  • 今は昔、竹取の翁というものありけり(今となっては昔のことだが、竹取のお爺さんという者がいた)
  • 立てれどもをれどもともに戯れ(立っていても座っていても、一緒に遊び戯れ)
  • 宰相中将、左大弁などはべりたまひて(宰相中将、左大弁などが伺候なさって)
  • 歌一首、作りてはべり(歌を一首作ってございます)
  • 才も賢くいまそかり。(学識も優れておられる)

ラ行変格動詞の活用

「ありおりはべりいまそかり」だけに現れるラ行変格活用の特徴は、終止形がイ段音で終わることです。ラ行4段活用と比較してみます。
 

単語 活用 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
狩る ラ行四段活用
あり ラ行変格活用

 

漫画『ありおりはべり』と『いまそかり』

タイトルに「ありおりはべりいまそかり」が使われている漫画作品があります。日向なつおによる漫画『ありおりはべり』が完結した後、続編として『ありおりはべり いまそかり』(または『いまそかり』、表記の揺れあり)が刊行されました。


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ