「サブカルチャー」とは?意味や使い方をご紹介

「サブカルチャー」という言葉をご存知でしょうか。日本では主に1970~1980年代に使用されはじめた言葉ですが、この言葉が指し示す「文化」の様相は、現代までに大きく変遷しています。ここでは、「サブカルチャー」の意味や使い方についてまとめます。

目次

  1. 「サブカルチャー」とは?
  2. 「サブカルチャー」の使い方
  3. 「サブカルチャー」の歴史

「サブカルチャー」とは?

「サブカルチャー」(サブカル)とは、社会において主流となっている文化(メインカルチャー)には属さない、独自の趣味・嗜好を持つ一部の人々によって支持される独自の文化のことです。

一般的には、マンガ、ゲーム、アニメのような、一部の人々がそれぞれの嗜好をもとに楽しむ個性的な文化のことを指し、いわゆる「オタク文化」と同一視して用いられます。

広義には、テレビ鑑賞、芸能人やタレントの応援、ネットサーフィンのような、特別な教養・知識を必要としない、誰もが気軽に楽しめる文化のことを指す言葉が、「サブカルチャー」です。

メインカルチャーとは?

では、「サブ」ではない「メインカルチャー」という言葉はどのような文化を指すのでしょうか。主なものとしては、次のようなものが挙げられます。

  • 芸術
  • 音楽(クラシックなど)
  • 演劇(オペラ、能楽、歌舞伎など)
  • 純文学
  • 俳句、短歌
  • 書道、茶道、華道など

これらの文化は、「ハイカルチャー」(high culture)とも呼ばれ、平凡な一般大衆の目線からするといわゆる「お高い」イメージがあるものですね。

これらの文化に親しむためには、伝統の理解など一定の教養が必要と言われます。人文学的な研究の対象となることも珍しくありません。逆に言えば、それらの条件に当てはまらない文化が「サブカルチャー」であると言うことができます。

厳密な定義は困難

しかしながら、上に挙げたような「メインカルチャー」が、21世紀の日本において「社会の主流」と位置付けられるかは、少々疑問があります。

逆に、マンガやアニメなど、それまで「サブ(=副次的、代替的、下位の)カルチャー」とされてきた文化のほうが現代の日本社会では広く認知され、多くの人に親しまれているという見方も可能です。

何をメインとして何をサブとするのかは、時代によっても思想によっても異なり、両者のボーダーは非常に流動的です。それゆえ、「サブカルチャー」の厳密な定義は困難であることは、銘記しておきましょう。

「サブカルチャー」の使い方

「サブカルチャー」という言葉は、現代においては、いわゆる「オタク文化」に属する、あるいはそれに近しい諸種の文化を、全般的・総合的にくくる意図で使用されます。

例えば「サブカル好きな人」と言えば、流行のマンガやアニメについて一定の知識があり、ライトノベルなども読み、好みのキャラクターのグッズなどを集め、業界の趨勢にも詳しい人のことです。

「好きなマンガ作品はあるけど、アニメはまったく見ないしゲームも興味ない」という人は単に「マンガ好き」「その作品が好き」であって、「サブカルに理解がある」とは言い難いでしょう。

中立的なイメージ

「サブカルチャー」は「メインカルチャー」に対する語として、文化のありかたを中立的・客観的に言及するための言葉です。そのため、現代の文化論について中立的に論及するような場面などで使用されることがあります。

また、以前に比べて、マンガやアニメなどの文化は社会に開かれ、一般に受け入れられるものとなっていますが、それらを自分の趣味として公言することを恥ずかしがる方も少なくありません。

そうした場合に、「サブカルが趣味です」「実はサブカル好きで」と、中立的な言葉として「サブカルチャー」が用いられる場合もあるようです。

例文

  • 最近では、大学でも「現代メディア論」などの名でサブカルチャーが頻繁に取り上げられる。
  • 日本のマンガやアニメは世界でも人気が高い。これらのサブカルチャーは、日本の誇るべき文化だ。
  • オタクを自称する友人はいつも、「結婚するなら、サブカルに理解のある人がいい」と言っている。

「サブカルチャー」の歴史

起源はアメリカ

「サブカルチャー」はもともと、1950年ごろにアメリカで生まれた言葉です。その当時の意味は、「社会で主流となっている文化に反する、少数派の文化」でした。

ここでいう文化とは、民族、話しぶり(言語)、ふるまい、生活にかかわる様式、行動の基準とするもの(道徳、宗教、政治への意識)、物事に対する価値観などのことです。趣味・娯楽というより、民族・政治的な文化ですね。

当時、ひとつ社会にはひとつの支配的な文化があるのみと考えられていましたが、社会のありかたが多様化していくにつれ、支配的な文化に属さない少数派が目立ち始めました。彼らの文化を「サブカルチャー」と呼んだことがこの言葉の起源です。

日本に輸入されて意味が少し変わる

「サブカルチャー」という言葉が日本に入ってきたのは1970~80年ごろのことです。日本では意味が少し変わって、「少数派が個人的に楽しむ趣味の文化(マンガ、アニメなど)」を指す言葉となりました。

この意味変遷の理由は明らかではありませんが、日本にはもともと文化(および社会構造)を多数派・少数派で分けて考える習慣がなかったことが原因として挙げられるようです。

拡大するサブカルチャー

日本における「サブカルチャー」は、80~90年代ごろに大きなブームを作り出し、00年代に入るとそれまで「オタク文化」とされてきた狭い範囲の趣味嗜好が世間一般にも広がるようになりました。

今や「サブカルチャー」は「メインカルチャー」との境界線が薄れるどころか、何をもって「サブカルチャー」とするかの定義も曖昧化され、場合によっては論争を呼ぶこともある概念となっています。

しかし現代日本において、「サブカルチャー」と呼ばれる巨大な概念が、その輪郭・実体は曖昧でありながらも存在することは確かであり、それは今後も拡大していくものと考えられます。

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