「からっきし」とは?意味や使い方を語源を含めてご紹介

全然ダメだということを伝える時に「からっきし」という言葉を使うことがあります。さてこの「からっきし」ですが、もとは「からきり」という言葉であったことを皆さんはご存じでしたか?今回は「からっきし」という言葉の意味や使い方、語源まで含めて解説します。

目次

  1. 「からっきし」とは
  2. 「からっきし」の用例
  3. 「からっきし」の語句の成り立ち
  4. 「からっきし」の語源

「からっきし」とは

「からっきし」は、「全然」や「まるで」などと同様の意味を持つ言葉(副詞)です。主に、人の能力や性質を否定する時に用いられ、「からっきし」とつけることで後に続く内容を強調します。

否定の強調ですので、「からっきし~ない」と後ろに打消しの表現を伴うのが通常の用法です。例外的に、「~ない」までの意味を含んで単独で「からっきし」と使われることもあります(例:~の方はからっきしだ)。

日常で見聞きすることが多く馴染みのある「からっきし」ですが、もともとは「からきり」という言葉でした。それが「からっきし」という言葉で使われるようになったのは、発音の変化、そして促音化した結果です。

促音とは

促音とは、「っ」で表されるつまった言い方のことです。「からきし」のような副詞を促音化すれば、語気を強めたり感情の高ぶりを表現できるようになります。

<例>

  • よほど→よっぽど
  • やはり→やっぱり
  • いつも→いっつも
  • とても→とっても

「からっきし」の用例

  • 彼はスポーツ万能だと思われがちだが、実は水泳だけはからっきし苦手だ。
  • 英語を学ぶのは好きなのに話す方はからっきしなので、語学留学をきっかけになんとか克服したい。
  • アルコールがからっきしダメな体質なので、忘年会はパスしたい。
  • 友人からの恋愛相談にはアドバイスするものの、自分のことになるとからっきしで情けない。
  • 営業という仕事柄か社交的に見られることが多いが、プライペートではからっきし、どちらかというと人見知りだ。

「からっきし」の語句の成り立ち

「からっきし」の元々の言葉は「からきり」です。そして「からきり」は「から」と「きり」という語で形成されています。

「きり」は「きりが良い」や「きりがない」などの言い回しがあるとおり、区切りや限度を表す言葉です。では「から」とは、どのような意味を持つ言葉なのでしょうか。

接頭語の「から」

「から」といえば、主に「出発点」や「経由点」、あるいは「原因」などを説明する際に用いられる語と認識されることが多いかと思います。しかし、実はそれ以外にも、「から」には接頭語としての役割があるのです。

「から」はその語単体で、「まったくの」「まるっきりの」という意味を持ちます。強めの意を添える役割をし、「から嘘(=真っ赤なウソ)」や「からっ下手(=このうえもなく下手)」などのように用いられます。
 

「からっきし」の語源

「から」が単体で「まったくの」という意味を持つならば、なぜ「きり」をつける必要があったのか、その理由を知るために「からっきし」の語源を調べてみても、なかなか答えにはたどり着きません。

実は「からっきし」の語源は未だ明らかにはされていないのです。このような場合、「方言」という可能性があります。「からっきし」という言葉は、どこか特定の地域の方言なのでしょうか。

江戸発祥とする考え方

「からっきし(からきし)」がどの地方の言葉であるのかについて、最も有力視されているのは、江戸の下町言葉であったとする説です。その理由は、江戸言葉にみられる特徴的な発音にあります。

江戸発祥の言葉には「り」を「し」と発音するという特徴があります。そのため「からっきし(からきし)」も、「からきり」を江戸っ子が「からきし」と発音したことに由来すると考えられるからです。

同様な変化をたどった例として、以下の語句があります。

  • 「やはり」→「やっぱり」→「やっぱし」
  • 「そのかわり」→「そんかわし」→「そんかし」
  • 「はっきり」→「はっきし」
  • 「ぴったり」→「ぴったし」
  • 「さっぱり」→「さっぱし」

しかし、この江戸発祥とする説も‘有力‘であるにすぎません。地方で生まれた言葉が江戸に入って来て江戸訛りになった、という可能性も捨てきれないからです。


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